表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
407/617

『凶刃』

「一体何があったの?」


 とてもではないが、ダンジョン縦穴の中にいるような衣装ではない。

 柔らかなアラクネ絹の嫋やかな、身体に沿ったデザインのドレスのまま現れたオフェーリアのその姿はまさしく貴婦人……王の妃だった。


「フェリア様」


 突然現れたオフェーリアにびっくりしながらもその御前に進み出たのは、前飛竜隊副隊長現在はこのダンジョン村の責任者である男だ。


「【ぼくちゃん】が重体だと聞いたわ。

 彼はどこ?」


「とても動かせる状態ではなく、まだ中にいます」


「どこなの?」


「4階層の入り口に近い街道沿いです。

 彼が」


 まだ話の途中だったがオフェーリアは再び転移した。その行き先は階段を降りた安全地帯だ。

 そのまま【飛行】で進んでいくと人が集まっているところに着いた。


「【ぼくちゃん】はここなの?」


 突然現れた王妃にびっくりしながらも彼らは道を開ける。

 するとその先の草むらには兵士のマントの上に横たわった【ぼくちゃん】がいた。


「ああ……なんてこと」


 左腕は肩から切断され、さらに袈裟斬りされた上半身の傷がまだ塞がっていない。

 定期的にポーションをかけているようだが、命を留めるのが精一杯で治癒が進んでいないようだ。

 だが兵士たちが、今まで助けられた冒険者たちが持ち寄ったポーションの数はかなりのもので、その数は山になった空瓶で見てとれる。

 オフェーリアはドレスが汚れるのも気にせず、すぐに傍らに膝をついた。


「【ぼくちゃん】よく頑張ったわね。

 すぐに治してあげるからね」


 そう言って異空間収納から取り出したのは上級ポーションだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ぼくちゃんを袈裟斬りにしたバカは連れ共々あの世へお帰りですね ぼくちゃんは宝です クソ共未来永劫 末代まで斬り殺されればいいのです
[一言] ぼくちゃん助かってえええええぇぇぇ〜〜〜 ( ≧Д≦) 今まで助けられた冒険者のポーションと言うことは 優しいぼくちゃんは兵士達を助けたみたいに冒険者達も助けてあげてたんだね。゜(゜´Д`゜…
[一言] ぼくちゃんに冒険者さん達からの沢山のポーションが(>_<) 命を助けられるのはフェリアママだけ(*T^T) ぼくちゃんを瀕死にしたおばかたちには報復をきっちりして欲しい(*´;ェ;`*) ぼ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ