『プレオープン?』
ダンジョンとその周りの整備は進み、試験的にだが招待された冒険者パーティーが探索を始めていた。
そのため、都で仕入れたものだが色々な魔導具も販売されて、そのここにしかないものを求めて訪れる冒険者も増えていた。
そのひとつが“廉価版結界石”だ。
これは使える回数が少なくなる代わりに、魔力の残りがあとどのくらいあるか色で知ることができるようにし、おおよその残りの回数を示すのだ。
そしてかなり値を抑えてあるのだが、それでも買えない下級の冒険者には貸し出しもすることになっている。
「ずいぶん賑やかになっているんだね」
3ヶ月ぶりに訪れたダンジョンの縦穴の周りにはたくさんの建屋が並び、冒険者ギルドには冒険者の姿がちらほらと見てとれる。
「まだ本格的に入場を許しているわけじゃないんだがな」
探索は許されなくても作業に従事する職人たちを護衛する依頼がある。
浅層での護衛なら下級〜中級でも受けることができ、意外に人気なのだ。
「2層に休憩所(宿屋)を作るんだって?」
「ああ、頑丈な結界で囲んで番兵も置くらしい。
ここのダンジョンは一層一層が広いからな。
特に下級の連中は安全地帯までたどり着けないことがある」
オフェーリアは新規のダンジョンの開発の苦労を知った。