『ダンジョン行、兵士たちとともに』
「では参りましょう」
1〜3層は雑魚と呼ばれる魔獣しか出てこない。 そしてこれらの階層にはここ10日ほども出入りしていたので、兵たちは油断なく主人たちに続いた。
彼らは総勢5名の、この島に来ている兵士の中の精鋭だ。
その5名を引き連れ第4階層に到着したのだが。
相変わらずの草原ではコボルトが間髪入れず襲いかかってくる。
「ちょっとこれは……異常ではないですか?」
「いえ、我々が潜ったときはこのようなものでした。心なしかもう少々少なかった気もしますが」
護衛の5名の中のリーダーである、飛龍隊の副長が応えてくる。
オフェーリアはウインドカッターを放ちながら考えた。
「これは……ひょっとするとパーティーの人数によって出現数が変わってくる?」
そうなれば大人数は不利である。
マティアスはすぐに散開させ、自分とオフェーリアは一度階層境まで下がることにした。
「まったく、色々楽しませてくれるわね!」
苦々しい口調だがオフェーリアは楽しそうだ。
「2ー2ー3で行きましょうか。
兵士2、私たち、兵士3で分かれて行きましょう」
マティアスが指笛を吹いて兵士たちを呼び寄せる。
そしてフォーメーションを決めて、第一班を送り出した。
「こんなところで足止めされるなんて冗談じゃないわ。
それと絶対に甘く見ないように」
コボルトもトカゲちゃんも油断していい相手ではない。
奴らは数という暴力を持って襲ってくるのだ。
素早い剣捌きと底なしの体力、これがないとあっという間に群がられてしまう。
「さあ、私たちも行きましょ。
今日は最悪、草原のど真ん中で野営よ。
……あなたたちもしっかりと付いてらっしゃい」
第三班には5名のなかで一番能力の劣る兵士がいた。
今回は彼に合わせて行動することになる。
 




