『激突……?』
「あっ、こら!馬鹿っ」
止める間も無く飛び出していったオフェーリアを追って飛竜を島に向ける。
見る見る小さくなっていくオフェーリアに続き、マティアスは魔獣が待ち受けるオサラ島に突撃していった。
「ひゃっはー!!
【真空】【血抜き】【異空間収納】」
滞空したまま、直下の魔獣の軍団に向けて放った魔法は一瞬で数多の魔獣を薙ぎ倒し、次の瞬間には異空間に移動させていく。
「マティアスは撃ち漏らしたのをお願い!
異常に気づいて逃げ出そうとしている賢いのがいるわ」
「了解!
あっちは任せてくれ!」
マティアスが飛竜隊を率いて離れていく。
こちらから十分に距離をとるように言うと、片手を上げて合図をしオフェーリアが今いる場所から回り込んでいった。
「では、遠慮なくいきましょうか」
ダンジョンとは魔窟である。
そして同時に限りない資源をもたらす宝箱のような存在だ。
このダンジョンを上手く調整し、運営しているのが各地にあるダンジョン都市だ。
ダンジョン都市は例外なく発達し、発展してその国に恩恵を与えている。
この出来立てほやほやのダンジョンも、今の湧きを抑えたのち中を調査して冒険者たちに解放すれば竜人国は今以上に発展するだろう。
ただ、この国の国王をはじめ上層部の考えは予測できないが。
「ゴブ(ゴブリン)、ゴブ、ゴブ、土狼、黒スライム、ゴブ、ゴブ……
まだ浅層の魔獣が続いている。
このダンジョンはずいぶん大型なのね」
このダンジョンが発生しておそらく3〜5日は経過しているだろう。
その間、途切れなくずっと湧き続けているのなら魔獣の数はかなりのものだ。
現にオフェーリアたちがこの島に着いたとき、谷で分断されたダンジョン側の土地……全島のおよそ3分の1を埋め尽くさん勢いだった。




