表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
352/617

『毒と骨折』

「上の人たちはその事を知ってるのかしら?」


「知ってるはずだ。

 その方面の兵を下げたからな。

 そうしたら奴らもそこからいなくなったんだ」


 オフェーリアは簡易の調合キットを使って毒消しを調薬しながら考えていた。


「その魔獣はどんな姿をしていた?」


 混乱していて今更ながら、魔獣の種類を特定しようとする。

 すると近くにいた別の兵士が答えてくれた。


「あいつらは“猿”だ。

 前に大陸で見た事がある!」


 島にはいない“猿”系の魔獣。

 オフェーリアはその正体にすぐに思い至った。


「毒猿っ。

 それなら普通の毒消しに追加する素材があるわね」


 異空間収納から取り出した鉱物のかけらを指で潰して、今まですり潰していた薬草に追加する。


「その魔獣はね、本来はそれほど強い毒は持ってないの。

 でもね、群れで行動するという厄介な習性があるのよ」


 おそらくだがその島にダンジョンができたことで魔獣が溢れているのだろうが、ダンジョン産の魔獣というのは本来のそれよりも強力な個体が多い事が多々ある。


「出来たわ。

 そこのあなた、これをこの人に飲ませてあげて。

 もうほとんど意識がないから、喉に詰まらせないように気をつけて」


 ちょうどそばにいたウノスの部下にこの場を任せて、オフェーリアは次の患者に向かう。

 次の患者は骨折をしているのだ。

 先ほど【解析】した後、鎮痛剤を飲ませていた患者だ。

 その彼の骨折は開放骨折に近く、その部位を正常な位置に戻してやらなければならない。

 オフェーリアは【洗浄】で自分の手と患部を消毒してからいきなり患部(脛骨)を押し込んだ。


「ギャーー」


 いくら鎮痛剤を与えられていたと言っても、この痛みに耐えられなかったようだ。

 数人がかりで押さえつけていたのだが呆気なく気絶してしまった。


「大人しくなってちょうどいいわ。

 リリ、赤紫のポーションを取ってちょうだい」


 いわゆる【EXポーション】と呼ぶものだ。

 開放骨折は化膿する事が怖いので一気に治すことにする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ