『オフェーリアの治療法』
「フェリア!!
よかった、君がいてくれて」
かなりの高さから飛び降りてきたマティアスがオフェーリアのすぐそばに降り立って駆け寄ってきた。
「やっぱりあなたも行っていたのね。
それでどうなの?やっぱり……」
「ああ、ほぼ間違いない。
だがそれは後にして今は怪我人たちを頼みたい」
「もちろんよ。
すぐに治療に入るわ」
ここで一旦2人は分かれて、オフェーリアは患者の選別に向かう。
これは見た目ではわからない身体の内部の異常を【解析】でチェックするのだ。
今回ゴンドラで先行して連れてこられたのは見た目重傷な者と見るからに具合が悪い者たち20名ほどだ。
そのうち半数以上は患部にポーションをかけることで完治させることのできる患者だった。
「ウノスさん、右から3名は見た目の傷は酷いですけど骨折など内部に問題はありません。
ポーションを1本飲ませて、患部にもかけて下さい。
あっ、と、先に患部を蒸留水で洗うのを忘れないで」
オフェーリアも色々混乱気味である。
だが、任せられるものは任せて、次の患者に向かうのだ。
「これは毒?!」
次々と【解析】をしていたオフェーリアの動きが止まった。
そしてより詳しく状態を診ていくと、たしかにこの患者は『毒状態』となっていた。
「誰か!
彼がどこでどのような魔獣と対峙したか知っているものはいる?
怪我は大したことがなさそうなのにこのゴンドラで運んできたということは、何か確信があったのよね?」
この『毒状態』となっている患者は確かに怪我もしているがそれほど酷いわけではない。
だが異常に顔色が悪くぐったりとしていて、今はもうほとんど意識がないので本人に聞く事ができないでいた。
「そいつは急に魔獣の数が増えた時に出て行った兵士の生き残りだ。
最初の連中はほとんど助からなかった」
おそらくダンジョンと化した島では、オフェーリアの想像以上に酷いことになっているようだ。




