『ポーション作成』
ポーションの在庫は200ほど、増血剤は10回分しかなかった。
「最近は頓着してなかったから、やっぱりあまり数がないね」
王が率いている飛竜隊?の戦力を疑うわけではないが、数の暴力ということもある。
実はオフェーリアは、ダルメリアが言った“湧く”という表現を危険視していた。
「魔獣の出現状況が気に入らないわ。
それってまるでダンジョンが出来た時のようじゃないの」
そう、オフェーリアはこの一報を教えられた時からダンジョン発生を疑っていた。
そしてもしその考えが当たっていたら、ただでは済まない。それなりの被害が出ていることだろう。
「とりあえず手持ちの素材でどれだけ出来るか……ポーションはSやEXも用意しておいた方がいいわね」
効能の高いポーションはこちらに来る前に中大陸で売ってきた。
手持ちは自分用の数本しかないはずだ。
オフェーリアは異空間収納からポーション素材である薬草を取り出して【乾燥】させる。
それを【粉砕】し魔法水を注いで成分を抽出するのだ。
他に熱を加えて煮出す方法もあるのだが、どうしても熱を加えると失われる成分がある。
なので最近のオフェーリアは出来るだけ抽出する方法をとっているのだ。
【時短】魔法を使って仕上げたポーションを瓶詰めするのは手作業だ。
ラベルを張って仕上げるまで、たっぷり時間がかかった。
気がつけばもう深夜である。
ダルメリアたちが心配しているだろうと少々反省しながらウッドハウスのドアを開けた。
「お疲れ様です」
そこには数時間前と変わらないダルメリアがいて礼をしてくる。
「ごめんなさい、つい夢中になってしまって。
何か変わりはなかった?」
「はい、今のところは何も」
飛竜隊が順調に討伐を進めているのか、先ぶれを出す余裕もないほど疲弊しているのか。
今のオフェーリアには竜人たちの無事を祈るしかすべはない。




