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『女官』

 神殿風の城館の、その目の前の庭に降りた飛竜は大人しく伏せをしてオフェーリアたちが降りるのを待った。

 そしてその姿勢のまま主を待つ。


「連れてきてくれてどうもありがとう」


「どういたしまして」


 マティアスは前には見せなかった気取った礼を返してきた。


「ここから先はこの連中が案内するから安心してついて行っていいから。

 何人かはそのままフェリアの側仕えになるはずだ。

 じゃ、俺はこれで」


 オフェーリアが口を開く間もなく、小走りに飛竜に近づいたマティアスはひらりとその鞍上の人となった。

 そして手を振ると飛び立って行ってしまった。


「ようこそおいでくださいました。

 お部屋にご案内致しますので、どうぞこちらへ」


 5人いる女官の中の一番年嵩の女性が話しかけてきた。


「私、女官長のダルメリアと申します。

 今日より貴方様の筆頭女官も務めますのでよろしくお願いします」


「フェリアです。こちらこそよろしく」



 到着が遅れたということで、王への挨拶は明日になり、今夜はひとりでゆっくりと夕食となった。

 もちろん給仕には先ほどの5名があたっている。

 すっかり日が暮れてあたりは真っ暗ななか、灯明のオレンジがかった明かりに照らされての夕食だ。


「こちらはやはりお魚が多いのかしら?」


「いえ、肉も食べますよ。

 この本島ではない、他の島ひとつ丸々牧場になっているのです。

 ちなみに本日の肉料理は“三つ目猪の柔らか煮”でございます」


 聞いたことのない獣(魔獣?)である。

 オフェーリアは早速ナイフを入れると、それはまったく抵抗なく切れた。

 自身が作るもの以外では驚くほどの柔らかさである。

 そしてもちろん味も極上だった。


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