表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/617

『飛竜』

「飛竜を飼い慣らしたんだ」


 素材や食用以外の、竜種のまさかの利用法である。


「まだここにいる18頭しか調教が済んでいないんだが、行く行くは飛行部隊が作れればいいと思っているんだ。

 ただ飛竜を飼い慣らすのは試練以外の何ものでもなくてな」


 マティアスが困ったような笑顔を浮かべ、そしてオフェーリアを抱き上げようとする。


「わわっ、何すんの!?

 いいよ、私自分で飛んでいくから!」


「そんなこと言わずに。

 一緒に寝た仲だろ?」


 何ということを言うのだろう。

 すぐそばに同僚たちもいて聞いているのだ、これがオフェーリアの夫となる王の耳に入ればタダでは済まない。

 後退るオフェーリアは簡単にマティアスに捕獲され、担がれて飛竜に近づいていった。

 するとホバリングしていた飛竜が地面に降りて羽をたたみ、乗りやすいように伏せの態勢をとってくれる。


「さあ、もう暴れるんじゃないぞ。

 ドンが驚くからな」


 どうやらこの飛竜の名はドンというらしい。

 オフェーリアはまるで荷物のように抱えられて鞍上の人となった。


「さあ、行くぞ!」


 一行すべてのものが飛竜に乗ったのを確かめると、マティアスはそう宣言した。

 するとまずドンが羽ばたきを始め、そして飛び立った。

 そのあとは各自続いてくる。


「ふおぉーっ、凄いよー」


 自分で飛行するのとはまた違った感覚に、オフェーリアは目を瞠る。

 そしてはしゃぐ彼女をマティアスは温かい目で見ていた。


「ほら、暴れると落ちるぞ」


 一応命綱は付けている。

 そして何よりもオフェーリアは自力で飛べるのだ。なので落ちてもいいと、率直に言うと一緒に飛びたいと思ってしまう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ