表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
321/617

『検証』

「さて、と。

 熱は下がっているようね。

 でも油断は大敵よ。この手の病は振り返すことが多いの。

 おそらく今夜も熱が上がるわ。

 なので今のうちに聞きたいことがあるそうよ」


 今、ゲルの中にはブランデルグとオフェーリアの他にジニーがいる。

 他の3人はもうひとつゲルを設置するために下草を刈っている最中だ。


「ブラン、具合が悪い時に悪いな。

 でもどうしても先に聞いておきたいことがあってな。

 実は今まで知らせていなかったが、お前を発見する前に、もう1人見つけていたんだ。

 生憎お前ほど運が良くなかったようでな」


 ここまで聞けば、彼の今置かれている状況から、その人物が遺体で発見されたということに気づいてしまう。


「ブランを見つけた場所からさほど離れていない街道の側で見つけたのは、あの馬車に乗っていた役人の助手だ。

 その場所から考えてブランの後にやられたと思うが、馬車の中で騒動なんかが起きていなかったか?」


「いや、長閑なもんだった。

 確かあの時は……」


 ブランデルグは騒動に関しては即座に否定したが、その時の状況を思い出していた。


「御者台には御者と冒険者がいて、いつものように俺は屋根の上にいた。

 ローニンは後部のデッキで後方の監視をしていたんだ。あまり親しいわけではないしほとんど会話はなかった。

 馬車の中には商人の2人組と役人とその助手、行商人がいたはずだ。

 俺は刺されてほとんど同時に意識を失ったと思うが、御者が騒いだ様子はなかったように思う」


 ブランデルグの話からは、少なくとも護衛の冒険者の1人ローニンが犯罪者だということがはっきりした。

 そして御者も共犯者の可能性がある。

 おそらくもう1人の冒険者もグルだろう。


「これはおそらく【誘拐屋】だな」


 ジニーの口から聞き慣れない言葉が飛び出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ