表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/617

『交渉……?』

 オフェーリアは元々ギルドで購入していた地図を取り出し、ゲルルートに見せた。


「階段に向かう道から外れたホールのような場所、ここにあった洞穴にこれは居たの。

 とりあえず、いくつかあった穴はすべて確認してきたわ。

 ……そのうちの一ヶ所には巣穴があって、卵があったの」


 ゲルルートは息を呑んだ。


「ここで言っておくけど、今回の獲物はすべて売る気はありません。

 将来、故郷に帰る時に土産にしようと思っているので」


 今度は目に見えて落胆している。


「さて、今一番の問題は、コレです」


 オフェーリアがローブのポケットから慎重に取り出したのは、例の仔鰐だ。

 ゲルルートがよく見ようと覗き込んだところパチリと目を開けたので、びっくりして尻もちをついてしまった。


「フェリアさん、これ!!」


「うん、ちょうど孵化に立ち会っちゃったのよね。

 ねぇ、この子を従魔にしたいのだけど可能かな?

 可能だよね?手続きしてくれるよね?」


 笑顔で迫ってくるオフェーリアが怖い。

 ゲルルートは生まれて初めて美少女の笑みがこれほど怖いものだと思い知った。


「じゅ、従魔か?

 ……確かにそういう存在はいるし、従魔士という職種もあるが、最近は聞かないし、この王都でも滅多に見ないな」


「細かいことはどうでもいいの。

 私はこのピピちゃんを合法的に飼育したいだけ」


 すでになんとも似合わない名前を付けて“うちの子”にしてしまっている豪胆さに呆れるべきなのか、驚くべきなのか、ゲルルートはもう何がなんだかわからなくなっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ