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『まさかの襲撃』

 是非売って欲しいと群がられでも、どのくらいの値段で売れば良いのかさっぱりわからない。

 オフェーリアは、ラバナラに着いてから商業ギルドで査定してもらい、それから販売することを約束してその場を納めた。

 結界石はそれなりの数在庫があるが、どこかで“家”を出して追加を作成した方がいいかもしれない。

 オフェーリアは見張り番をしている2人の分も料理を追加して、そそくさとテントにもぐりこんだ。

 その前に結界石の使用方法の実演をして見せたが、すぐにその事を後悔することになる。

 なにしろ購入希望者たちは、最初は控えめにノックをする程度だったのだが、段々とエスカレートしてそれぞれの得物で攻撃し始めたのだ。


「もう、煩い!」


 攻撃が途切れた合間に顔を出して怒鳴ってみたのだが、テンションが上がりに上がりまくった連中は、結局オフェーリアに安眠を与えてくれなかった。



 夜が明けて初めての乗り合い馬車の旅、最終日。

 夕方までにはラバナラの町に着くらしく、到着し次第商業ギルドを訪問することになってしまった。


「少しの間休ませてもらいます」


 オフェーリアは窓にもたれてうたた寝を始めたのだが、ここで大変なことが起きたのだ。

 それはこの旅が始まって何度かあった魔獣の襲撃があったとき、護衛の冒険者たちは皆、馬車の外に出払い乗客は待機となっていた。

 図太いオフェーリアはその時まだうとうとしていたのだが、突然頭に感じた衝撃に目を覚ました。


「……何?」


「うわーっ、なんでこいつ平気なんだよ!?」


 2泊3日の行程で、オフェーリアは結局乗客たちとは交流しなかった。

 その乗客の1人が棍棒のようなもので殴りかかってきたのだ。

 もちろんオフェーリアは防御の魔法をかけていて、ヒトに殴られる程度はなんともない。


「おい、何をしてるんだ!」


 馬車内の隅で固まっていた他の乗客の1人が異常に気づき、こちらにやってきた。

 もう1人が続いて、オフェーリアを襲った不届き者を取り押さえた。

 棍棒は蹴り飛ばされ、乗り口のステップのところまで転がっていった。


「一体、どういうつもりかしら」


 オフェーリアが取り押さえられた男の前に仁王立ちし頭を踏みつけた。

 本来小柄なオフェーリアなので、さほど堪えないはずなのだが、骨が軋む音がする。

 身体強化を付与されたオフェーリアの膂力は、筋骨隆々なアレックスなどと差はないだろう。


「おい!

 だ……れか助けろ!

 こいつがいなければ、荷物は俺らのものだぞ!」


 味方を引き込もうとするが軽蔑しきった視線が返ってくるだけだ。


「ふうん、こそ泥だったんだ。

 それも私を殴ったわね?」


 あの棍棒で力任せに殴られたら、ただでは済まない。


「おい、何ごとだ?」


 外で魔獣と対峙していたセダンとチコが乗り込んできて、目にした状況に大声をあげた。


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