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『再生』

 何もない空間に手を差し入れて次々と瓶を取り出していく。

 未だ使い物にならないドーソンの代わりに第3騎士団団長にそれを渡していった。


「フェリア様、これは……」


 彼は前回とは違う、透明感のある薄緑色の液体を見て、思わずそう言った。


「この間よりも重傷だから、これを使うわ。

 大丈夫、このアムリタなら切断されたのが四肢ならちゃんと生えてくるから」


 さすがに頭は生えてこない。

 その前に頭が切断されていたら、もうその人物は生きていないだろう。

 そしてもう口調も気にしていない。


「まずは頭からいきます。

 ただ髪の毛は経験がないので再生するかわかりません」


 王子の頭を動かすのに医師の手を借りて、まんべんなくアムリタをかけていくと、その場でみるみる肌が再生していく。

 黒こげになったり、ケロイド状になっていた皮膚が剥がれ落ちて、綺麗な肌が現れた。

 残念ながら髪は元どおりにならないが、よく見れば毛根があり、そこからうぶ毛のようなものが覗いている。


「おお!これは!?」


 この間にもオフェーリアは、【解析】を使い王子の体内を探っていた。


「どうやら頭部の骨折や脳への障害もないようね。

 次は腕と脚を再生します」


 最高級ポーション、アムリタの効果は、抜群だった。

 黒こげの肌はひと皮剥けたように再生し、ちぎれかけた腕と脚は欠損した部分が、骨や筋などがまるで巻き戻るかのように再生された。

 最後に医師に頼んで一本分を飲ませて、オフェーリアの治療は終了した。

 その様子を目の前で見ていた医師は、まだ信じられない様子でいる。


「医師殿、増血剤はどうしましょう?

 基本的に熱傷なのでそれほど血は失っていないようですが」


「よろしくお願い致します」


 あの凄まじい効果の回復薬(ポーション)を見て、己の矜持など些少なものだと悟りきった医師だった。


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