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『恐れるもの』

 鑑定が終わり、金貨15枚で金華狒々(ベルベットモンキー)を売ったオフェーリアは、まだ何か聞きたそうにしている男たちを残して早々にギルドから退出してきた。

 転移は一瞬だ。

 ギルドのドアが閉まった次の瞬間、オフェーリアは迎賓館のあてがわれた部屋、その寝室にいた。


「ふう、金貨15枚……

 どうやら貨幣価値はそれほど変わらないようだし、とりあえず一段落かな」


 2刻ほどの無断外出だったが、誰も気づいていないようだ。

 オフェーリアはハイエルフに擬装するときの姿、金髪紫瞳に戻ると寝間着に着替えベッドに潜り込んだ。



 オフェーリアが出て行って暫く、ようやく我に返ったゲルルートは慌てて後を追おうとして、ドアを開けてすでに彼女の姿を見失っていることに気づいた。


「遅かったか……」


「あれほどの御仁じゃ、瞬時に姿をくらますなど、朝飯前だろうよ」


「それほどか?爺さん」


 金華狒々を見てから極端に口数の減った鑑定士にゲルルートが尋ねていた。


「気づかなんだか……

 あの御仁は、その気になれば我らを瞬殺しておっただろうよ」


「それほどですか?」


 ギルドカードを作成した職員の顔色が悪い。


「うむ、ナイフを入れてみないと断言出来んが、おそらくあの御仁は身体中の血を抜く魔法を使うのだと思う」


「それは……」


 魔法というものに触れることがほとんどない東亜大陸の人間だが、それは火水風土の華々しい効果を発揮するものだと認識していた。

 しかし今聞いた“血を抜く”魔法など、凶悪なことこの上ない。


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