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『結界』

 オフェーリア一行。

 4頭引きの馬車と騎馬の騎士団総勢30名が昼間でも薄暗い森の道をひた走る。

 森狼からの襲撃の場からなるべく離れるため、馬には鞭が入り続けていた。


「フェリア様!

 そろそろ日没です。

 たしかこの先、馬車がすれ違える程度に道が広がった場所があります。

 今夜はそこで野営致しましょう」


 馬車に並びかけてきた騎士団長が提案してくる。

 場所の選定は彼に任せていたので、オフェーリアに否やはない。


「わかりました。

 では馬車や馬も含めて、なるべくこぢんまりと野営地を設置して下さい」



 停止した馬車から降りてあたりを見回すと、役に立たないドーソンを馬車に残し、側付きに任命された騎士をひとり連れて歩き出した。


「結界で囲むから、馬の位置や騎士さんたちのテントを張る位置を確かめてきてちょうだい。

 なるべく小規模にお願いするわ」


 若い騎士はびっくりした表情を浮かべながらも団長の元にオフェーリアを案内する。

 そこで改めて団長に結界について話をすると、彼も驚いて目を見開いている。


「ひょっとして、結界と言う観念すらない?」


 オフェーリアは異空間収納から結界石を取り出し、足元にひとつ置くと団長を伴って歩き出した。


「馬と馬車、あとどのくらい囲めばいいかしら」


 そう言いながらも時々石を置いていくオフェーリアは同時に周りを警戒している。


「フェリア様、その『結界石』とは何ですか?」


「これはあちらで最近私が流通させたものですわ。

 原理は簡単なのですけどね、結構便利なのですよ」


 そう話しながら最初の場所に戻ってきた。


「さて、騎士の皆さんも馬も、全員この囲みの中にいらっしゃるかしら?

 団長さん、確かめてくださる?」


 点呼がとられ、全員を確認するとその旨オフェーリアに報告する。

 そうしてオフェーリアは、結界石の最後の一個を置くと瞬時に結界が展開された。


「触ってごらんなさい。

 見えない壁があるでしょう?」


「こ、これは……?」


「これで中にいるものは安全ですわ」


 騎士のなかには体当たりをしているものもいる。


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