表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/617

『怪我人』

「どうやら勝負がついたみたいよ」


 群れで襲いかかってきた森狼を、逃げた数匹以外殲滅させた騎士団が団長の号令の元、一ヶ所に集まってきている。

 それをみたオフェーリアは、結界を解いて馬車から降りると、団長に話しかけた。


「討伐ご苦労様です。

 皆さんご無事ですか?

 お怪我なさってませんか?」


「おおーい、誰か水をくれ!

 それと包帯を持ってるやつはいないか?!」


 オフェーリアが団長に尋ねていたとき、森の奥から同僚に支えられた怪我人が運ばれてきた。

 彼は右腕と脇腹をガッツリ噛まれていて、かなりの重傷だ。


「まあ!

 あの方の治療を私に任せていただけませんこと?

 私、祖国では薬師をしておりましたの」


 悲愴な顔をしていた騎士たちの視線が、一斉にオフェーリアに向いた。

 団長も藁にもすがる思いで、その提案を呑んだ。


「患者をこちらに寝かせて下さい」


 オフェーリアは異空間収納から診察用の寝台を出して、指示をした。

 もちろん武具や防具はあらかじめ外させている。


「着衣をナイフで裂いて患部を診ます。

 この騎士団に衛生士のような存在はいますか?」


「はい、僕がその役目を仰せつかっております」


 先ほどからてきぱきとオフェーリアの指示をこなしていた少年騎士が応えてよこした。


「そう、よかったわ。

 これから治療を始めるので、誰かに手を貸してもらって患者を押さえて下さい。

 かなり痛むと思うので」


 すぐにそばにいた騎士たちがオフェーリアの指示に従った。


「待って!

 右脛を骨折しているようだわ。

 膝上で固定してちょうだい」


 オフェーリアはまず初級ポーションを取り出した。

 この治療は、体内に魔素すら持っていない人間に対して、魔力を練り込んだポーションが効くかどうか、実験の意味合いもあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ