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『ダンジョンでのラストディナー』

「相変わらず、ここは吹雪なのね」


 やはり素材採取を行いながら、ようやくひと月近くかけて16階層までやってきた。


「もう情報はギルドに渡してあるんだろう?

 なら、今の時期はまだダンジョン攻略が盛んではないのか」


「いいえ。

 まだ情報提供はしてないわよ。

 ……あの冒険者パーティーが生きて地上に戻れたのなら、ひょっとしたら申告しているかもね」


 オフェーリアの好意により情報を得たのだ。

 それをどうするのか、彼女は冒険者たちの良心に賭けたのだが、どうやら杞憂だったようだ。


「まあ、今日はここで野営しましょうか。

 これ以上冷え込むとマティアスが凍えちゃうものね」


 もちろん雪を止めるために“餌”のオークは捧げてある。

 今は階段で待機中のオフェーリアたちの目の前で喰われていくさまはやはりクるものがあった。


「マティアス、今夜はご馳走にしましょう」


 おそらく明日の夕方には地上に出ることになるだろう。

 なので最後の夕食になるのだ。



「すっごく贅沢な使い方なんだけど、土属性のドラゴン、アースドラゴンのすね肉のシチューだよ。

 赤ワインがたっぷり入ってて、美味しいよ〜」


 今夜にいたっては野菜も共に食せなどと、うるさいことは言わない。

 マティアスは冷えた体を温めるためにも、熱いシチューをどんどんと平らげていく。


「もうこの肉はわざわざナイフを入れなくても、自然と解れる柔らかさだ。

 なのにジューシーで、手が止まらなくなる」


 オフェーリアがていねいに煮込んでいたシチューは、マティアスの舌に合ったようだ。

 付け合わせのマッシュポテトと共に凄い勢いで減っていったシチューは、もちろんおかわりされた。


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