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『ワインボトル』

「マティアス、あの連中のところに行って、ちょっと聞いてきてくれない?」


 何が?と聞かなくてもマティアスはわかりきっていた。

 正直自分も聞いてみたいことがある。


「これを持っていけば、口も軽くなるでしょう」


 そう言ってオフェーリアが、アイテムバッグから取り出したのはワインボトル5本だ。


「これくらいあればそれなりに酔えるでしょ。

 ……特に16階層の事については詳しく聞いてきて欲しいわ」


「ああ、俺も気になってる。

 任してくれ、ちゃんと話させてみせるさ」


 ふたりは頷き合った。




 30階層に夜が訪れ、あたりは闇に覆われていた。

 隣の冒険者たちは焚火を3つ熾していて、それぞれで暖をとっている。

 そこにふらっと現れたマティアスに、最初に気づいたのはやはりリーダー格の男だった。


「よぉ、どうにか落ち着いたようだな」


 マティアスが人懐っこい笑みを浮かべて声をかけると、リーダーが立ち上がった。


「ああ、メシも食ってようやく落ち着いたところだ」


 冒険者たちはそれぞれ、得物の手入れなどをしていた。


「じゃあ、ちょうどよかったな。

 これは主からの差し入れだ」


 横目で2人の様子を見ていた連中は、マティアスがアイテムバッグから取り出したものを見て歓声をあげた。

 彼らがワインボトルを見たのは何日振りだろうか。


「おお、これは忝い。

 主殿に宜しく伝えてくれ。

 おい!みんな、ありがたくいただくぞ!!」


 それから野営地は宴会の場と化した。

 各自が自分のカップを出しワインを注ぎ、一気飲みする。


「ぷふぁー、美味い!!

 こいつはいいワインだ!」


 マティアスとリーダーを残して、皆酔っ払っていった。


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