表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/617

『その顛末』

「想像通り、彼らの就寝中に結界石の効果……おそらく動力が切れたのね。

 それで凍死した。

 まずはそれが真相ね」


 マティアスはそれを想像して、ゾッとする。

 おそらく前夜と同じく、深く寝入っていたのだろう。彼らが“手に入れた“結界石を信じて、見張りも立てずに。


「普通なら気がつきそうなものだけど、一瞬で凍りつくほど気温が下がっていたのかもしれない。

 ……ダンジョンも本気を出したのかもしれないわね」


「ダンジョンの本気……」


「ダンジョンは自らの中で命を失ったものを吸収して、おそらくそれが活動源だと思うの」


 それは今目の前でも行われている。

 凍死した元傭兵たちを“捕食”しているのだ。


「着目すべきはそれではないの。

 そう、ダンジョンは、この階層は是が非でも“贄”を欲しがったのよ。

 ……私は、この階層の吹雪が侵入者を閉じ込め、取り込むものなのではないかと考えていたの。

 なので17階層への階段を発見してから実験をするつもりだったのよ」


「実験?」


「そう、異空間収納に入っている魔獣の骸を取り出して、ダンジョンに“与える”つもりだったのよ。

 そして、それがどれだけの数必要か、そもそも魔獣でも良いのか、人でなければダメなのか……どうすれば吹雪が止むのか試してみるつもりだったの」


 そうこうするうちにタイミングよく元傭兵団の連中がやってきて、貴重な実験材料になってくれた、と言う顛末なのだ。

 吹雪が止んだのは、砕いて言えば『お腹いっぱい、ありがとう』と言うことなのだろう。


「止んだ状態がどれくらい続くのか、それも観察した方がいいわね。

 ……ハァ、そこまでする必要があるのか、甘すぎるかしらね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ