積もり続ける不安と不安
「お、おい!!」
「何でしょう?」
「何でしょう、じゃねぇよ!!ふざけんなよ!!」
「いえ、私はふざけてなど…」
「ちげぇよ、そうじゃねぇんだよ、ここで天然はいら
ねぇんだよ」
「まあまあ、そんなに焦らずに。焦っていては、大切
な事を見落としますよ」
(うぜぇぇぇぇぇっっ)
くそ、何なんだよコイツ。何様のつもりだよ。
…でも確かに、焦ることは良くないな。
よし、落ち着こう。息を吸って…吐いて…スー…ハー
「…で、今から魔王の所に行くっていうのはどういう
事なんだ」
「そのままの意味ですけど…」
「…まさか、この状態で行くのか?」
「?…ああ、そうでした。まずは装備を揃えないとい
けませんね」
「忘れてんなよ…」
はぁ…大丈夫かよ、ホントに…
クルミが俺に左手を伸ばす。
「では行きましょうか」
「…どこにだ?」
まさか、魔王の所へなんて言わないだろうな…
「魔王の…」
「っな!!」
「城からそれなりに離れた場所の〈サナハット村〉と
いう村へです」
「……」
(…よかったぁぁぁぁ)
名前的には比較的安全そうな所だな。まあ、名前だけ
では…
聞いてみるか。
「ちなみにその村って安全なのか…?」
「ええ、そうですね」
クルミが微笑んだ。
「モンスターが少し多いだけで、比較的に安全な村で
すよ」
…なあ、もうツッコミ入れなくてもいいか?
疲れたんだけど。
「…それって安全なのか?」
「はい、たまにドラゴンが居るぐらいなので」
ダメじゃん。もうダメダメじゃん。何なのこの子。
頭付いてんの? まあ、付いてるけど…
(…もういいや、どうにでもなれ……)
「…分かった。じゃあ行こう…」
「はい。それでは行きましょうか」
クルミは天に右手をかざし唱える。
「ワープ!!」
目映い光が俺達を包み込んでいく中、俺は呟いた。
「そのままじゃねぇか…」




