俺にとっての地獄絵図
「「「はぁ…はぁ…」」」
三人共息を切らし肩を上下させている。
「……」
…なんなのコイツら。何でそんなにジャンケンできんの。ずっと待ってる俺の身にもなって欲しい。つーか…
(何でチョキしか出さねぇんだよぉぉぉぉ!!!!!)
終わんねぇに決まってんだろ!!! マジで何考えてんだよ!!! バカとかそういう次元じゃねぇだろ!!!!
「なあ、お前ら!!! いい加減にしろよ!!!」
「「「うるさいっ!!!!」」」
「黙れぇぇぇぇ!!!!」
「ぐはっ」
「うげっ」
「あんっ」
俺は三人の顔面を力一杯殴り付けた。
「ふざけんなぁぁ!!! 三時間もジャンケンして決
着がつかねぇとかおかしいだろうがぁぁぁ!!!!
つーか、テメェは変な声出してんじゃねぇ!!!」
愛は顔を抑えながら呟く。
「ふ、ふふ…この痛み…本物だわ…」
何言ってんだよコイツ…怖えよ、怖すぎんだろ…
クルミは殴られた顔面を抑えながら言ってきた。
「お、女」
「女の子の顔を殴るなんて酷いぞ!!」
「あぁぁぁぁ!!!!! それ私が言おうとしてたのに!!!!」
「ふん、早い者勝ちじゃ」
なんて醜い争いなんだ…てか、何で同じ事考えてんだよ。あ、同類だからか。
クルミは俺の顔を見てくる。
「神道君も何か言って下さいよ!!!」
「馬鹿には付き合いきれん」
「なっ!! なんてひ」
「なあ、私腹が減ったんじゃが」
相変わらずのマイペースでペンタンがクルミの会話を遮った。
もう、尊敬するレベルだわこれ。
クルミはペンタンの肩を掴んで激しく揺する。
「なんで、なんで最後まで言わせてくれないんですか!!!! 酷いじゃないですか!!!」
「や、止めろ!!! あんまり激しく揺するでない!!!」
「うるさいうるさいうるさい!!!! もうしないって神に誓ってくれるまで絶対にやめませんから!!!!」
お前も神(仮)だろ。あ、(仮)は俺が勝手に付け足しただけだ。
「神ちゃ〜ん♡」
背後から吐き気がする様な気色の悪い声がする。
「もっと〜、私をめちゃくちゃにして〜♡」
愛が完全に逝ってしまった目で俺の事を見てくる。
(いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)
こっち見てくんなぁぁぁ!!!!
「あれ〜? どうしたの〜? あっ、分かった〜」
何が分かったんだ!!!! お、おい!!! こっち来んな!!!!
そんな事を思っていると愛が俺の事を抱きしめてきた。
「へへ、神ちゃんつ〜かまえ〜た♡」
「いっ!!!」
(いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!)
「ふふ、どうしたの? 興奮しちゃった?」
話しかけんなぁぁぁぁぁぁ!!!!!! てか離れろぉぉぉぉぉぉ!!!!!
「はぁ…はぁ…神ちゃぁん♡ 私…はぁ…はぁ…興奮して…はぁ…はぁ…どうにかなっちゃいそう…♡」
(きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!)
その時、俺の耳に二人の声が聞こえてきた。
「…愛さん?」
「…随分と楽しそうじゃな?」
余りにも冷たく殺気でさえも感じる二人の声に俺は背筋が凍る。
「えっ、えへへ、えへへへへ♡」
愛はもう既に壊れていた。
「神ちゃぁん♡ ちゅっ♡」
愛は俺の頬に口づけをした。その瞬間に俺は意識が遠退き始めた。意識が薄れていく中見た二人の顔は晴れやかな可愛らしい笑顔だった。
「「殺す♡」」
二人の声は殺気に満ち溢れていた。二人が愛に襲い掛かる中、俺は意識を完全に絶った。




