この世界は俺に優しくないようだ。
まず、結論から言うと当然の如く俺の願いは届かなかった。
「ちわーっす」
軽快な挨拶と共にドアが開くと中から女性が出てきた。
下着姿で。
「こんにちは、愛さん」
その姿について気に留める事も無く、クルミは挨拶を返す。
「……」
…何で下着しか着てねぇんだよ。
「ん?この人が今日からウチんとこで暮らす人?」
は?
「ええ、このめちゃくちゃ可愛い子がペンタンさんで
こっちの彼が私の婚約相手の神道君です」
ちょっと待て。今二つも聞き流せないような爆弾発言があったぞ。…一緒に暮らす? 婚約相手?
(はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!?!?!?!?)
おい、どう言う事だよ?!?!?! 一緒に暮らすって!!! この下着姿の女と? 冗談じゃねぇぞ!!!!! それと俺は婚約を認めた覚えは微塵も
ねぇ!!!!
「おい、クルミ!!!」
「はい、なんでしょう」
「はい、なんでしょうじゃねぇよ!!!!どう言う事
だよ!!!!!」
「と、言いますと?」
クルミは首をコテンと傾けて説明を求めてくる。
いや、説明を貰いたいのは俺の方なんだが。
「一緒に暮らすってどう言う事だよ?!?!」
「ですから、一緒に暮らすというのは同じ屋根の下で
住むとい」
「そうじゃねぇよ!!!一緒に暮らすの意味を聞いて
んじゃねぇよ!!!どうして一緒に暮らすのかって
聞いてんだよ!!!」
「邪魔するぞ」
「どうぞ〜」
「ペンタァァァァァン!!!!!」
ペンタンは迷惑だと言わんばかりな顔して振り向く。
「なんじゃ、そんな大声出さんでも聞こえとるわい」
「どうしてお前はいつもそうなんだ?!?! どうし
ていつも俺のじ」
「はいはい、神道君落ち着いて」
「お前が言うなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
お前が俺の怒りの元凶だろうがぁぁぁぁぁぁ!!!!
「何をそんなに怒っているのかは知りませんけど、と
りあえず中へと入って貰えませんか?私が入れませ
んので」
クルミはさも自分は被害者だと言わんばかりの顔をしてくる。
殴りたい、その無駄に整った顔を。
「ほれ、とっとと入れ」
「うわっ、ちょ、ま、待て!! 引っ張んな!!」
ペンタンが俺のズボンを引っ張ってくる。なかなか際どい所を掴んで。
「はいは〜い、いらっしゃっあ〜い」
変な言い方すんな!! この変態!!!
「早く入って下さい、後ろがつっかえてます」
「あ、お、押すな!!」
尻を!!
そんなこんなで、俺は無理矢理この変態の家へと押し込まれて(引きずり込まれて)しまった。




