俺という存在
「着きました、ここが我ら〈クルミファミリー〉の拠
店ですっ!!」
そう言うと、クルミは目の前の家賃月々二十万円はするであろう高級ホテルの様な外観の建物を指差す。
…場所間違えてね? あと一応ツッコんどくけど、クルミファミリーって何? めっちゃ嫌なんだけど。
「ほえぇ、こりゃ凄いのぉ…」
ペンタンは目を丸くしながら呟く。
「はい、私も初めて来ましたけど、噂通り凄い外観で
すね」
…は?
「お、おい、ちょっと待て」
「はい、なんでしょう」
「…初めて来たのか?」
何故かクルミは胸を張って自信満々に言い放った。
「もちろんですっ!!!」
「……」
いや、分かってたよ? こういうオチだって事は今までの流れ的に分かってたよ? でもね、それでもね……
(ふざけんなよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!)
何で来た事ねぇんだよ?!?!?! おかしいだろ?!?! いやまあ、コイツがおかしいってのは
もう分かり切っているんだけど!!!
「いやぁ、立派な所ですね〜。ここを貸してくれるな
んて、あの子には感謝しかありませんねぇ」
「…あの子?」
あれ…? もしかして、こ
「なあ、こんな所で突っ立てないで、早く入ろうでは
ないか」
「いや、ちょっと待って、ここ結構大事な所だから!
歌のサビぐらい大事だから!!」
「そうですね、早く入りましょう!!」
ちょっと待てって言ってんだろうが!!!!!
「そのあの子って誰だよ?!?!…って、オイ!!!
待てって言ってんの分かんねぇのかよ!!!!」
クルミ達は「楽しみじゃな〜」「そうですね〜」なんて言いながら俺の言葉をガン無視して中へと入って行った。
「…はぁ」
俺は深い溜め息を吐いた。そして、心の中で必死に祈っていた。
(普通な人であってくれぇぇぇぇ!!!!!!)
そして俺も妙な緊張感を持ちながらも、中へと入って行った。




