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第3部ー地獄

絶対に巻き込まない。

彼女は僕じゃない。ホントに1人なのは僕だけだ。

もう彼女とは関わらない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さぁ、オレ1人の演説パーティーといこうか。



予定をちゃんと組んでいた。

彼女があそこまで僕のことを思ってくれていたんだ。

ならば踏みにじらないようにしないといけない。

準備も全て慎重に進めた。


そして今日がその日ってことだ。




◤◢◤◢注意◤◢◤◢

ここからある程度までセリフとなります。

文化ホールのようなものをご想像下さい。

舞台に立つは笠鳴奏(かさなりかなで)となります。


では。

◤◢◤◢◤◢◤◢

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




まずは、このような人間ごときの演説に来ていただき、誠にありがとうございます。

少しながらマイクもありますので、僕の演説中に挙手頂ければマイクをお渡しするので適宜、質疑応答します。


では、始めさせていただきます。





あの猫の子、チロが言っていた事ですが。

恐らく、僕だけじゃないと思います。

1匹なの。

そして僕だから言えることを言わせてもらいます。


先日、とある友人と駅に出てきました。

凄く心が躍りました。いつも家に引きこもってたから外の景色せかいへの憧れがあったんです。


だからとても僕自身、興奮してました。

周りも見えてなかったかも知れません。


気が付けば僕を取り囲む無数の市民たち。

携帯のカメラを僕に向けて。


別に僕は芸能人でもスーパースターでもないから写真や動画なんて撮られても気にしないです。


ですが、人気のされ方がおかしいじゃないですか。





【すると1匹の肉食動物が手を挙げる】


どうぞ。


「人気のされ方がおかしい。とはどういうことでしょう?」


聞いて下さりありがとうございます。


僕は先程にも申しましたが、芸に長けた者でもございませんし、容姿がいいとも限りません。


凄いことをしたならばカメラを向けられるなり、賞賛するに値するでしょう。

ですが、僕の場合はどうでしょう。


ただ家から出てきて街に来ただけ。



その1動作をするだけでカメラを向けられた。

挙句の果てには?

あれがヒトなんだと軽蔑するような眼差しをされた。


皆さんには同種族、同類の仲間かどうかは理解わかりませんが居ますよね


彼女の言葉をそのまま使わせていただきます。




『居なかったらどうなんだろうね』



ただ街に出ただけで軽蔑されて、他の動物と居るのがおかしくて。

僕だけが分かるようなこの世界の間違い。


僕、ヒトという種族が決して賢いという訳では無い。

皆と同じように失敗から学び、成長する動物です。




この間の出来事は悪いことではないと思っています。

彼女が外に、ここへ連れてきてくれなかったらこの世界の過ちに気付けなかった。


だから、彼女との出会いはとても大きなものです。

僕と彼女は全く種族が違います、でも。



でも!



この世界は、同じ言葉が通じるんだから…


共通の話が出来れば友達、仲間になれるんだから


種族なんて、関係ないじゃねぇか!!!



1匹だからなんだ!?


群れないとこの世界では生きていけないのか!


こちとら怯えられるのを恐れて、

ずっと、ずっと、ずーーーっと部屋の隅で固まってたんだ!


肩身が狭くて、言いたいことも言えない!


少数の動物は圧力に屈し、外に出られずに!


もっと視野を広げろ!

繋がるのは同種族や同類じゃなくてもいいじゃねぇかよ!!!



ーーー…今日の演説はこれまでとさせていただきます。

質問がある方はいらっしゃいますか?



【先程の肉食動物が手を挙げる】


「最後の一言は、私には仲間が居ますが雷に打たれたような気分になりました」


「いい雄叫びでした。また今度開かれる予定などはありますか?」



ーーー未定です。

ですが、僕の存在はこの世界を揺るがすものですので、これからの政治を見ていくだけだと思います。


僕の言いたいことが言える世の中になるのを待って、なればまたこの街に姿を表すかも知れません。



では、本日は御来場いただき、誠にありがとうございました。


◤◢◤◢◤◢◤◢


ーーーーーーーーーーーーーーー


帰宅後…。


そうして僕はまた薄暗い部屋の奥に消えていく。

正解など知らない、僕が生きて行ければそれでいい。


そして僕が言ったことが彼らにどう解釈されるかは知らない。


生きやすくなるかもしれない。



僕はまた


逃げた。




また、部屋から出られなくなった。








もう一度、生まれ変わるなら…



ーーー動物なんてチンケな物じゃなくて

オレは、()()になりたいな。











〜〜〜〜〜〜The END〜〜〜〜〜〜

分岐ルートっぽくしました。

こちらを読まれた方は後味悪いと思うのでもう一度2部から読み直していただいて、もう片方のルートを追えば気持ちいいかも知れません。

それで気持ち良くならなければ、私の技量足らずです。

申し訳ございません。

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