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第2部exーthirty
家にたどり着いた時には足はもはや、足ではないような気がした。
足が棒になる、という言葉があるけどそれ以上に今は棒になっているだろう。
足が体を支えきれなくなり、その場にぺたりと座り込む。
足が片仮名のルの字に曲がり、肩で息をしているのも再認識した。
見たことか、慣れないことはするべきじゃあない。
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テレビを点けたまま出て行ったようでニュース番組の声だけが耳に入る。
チロの声が聞こえて急いでテレビの前に行こうとする。
立ち上がろうとしたが、無念に上半身だけが上を目指したが呆気なく前に倒れる。
そうだった、今足は動かないんだった。
ただ蛇の如く床を這う。
ーーーー"チロ"だ。
どうしてだろう。
彼女が必死で何かを訴えてる。
何故彼女がテレビで切り抜かれてるのだろう。
答えは1つ。
『誰1匹も、この世界の理不尽に触れなかったからだ』
ましてや気付きすらしないだろう。
この世界には必ず同種族、同類が居るからだ。
"僕"を除いて。
30日、そこが僕の運命の分かれ目なんだろうな