歴史の本を読もう
「ねぇ、タクだっけ? 君は見た感じ、改造していないみたいだけど……。なんで?」
図書館へ行く途中、歩きながらレーネは問うのであった。首を傾げ、ただ素朴な疑問を投げかけた。
「お前はプライベートなことを詮索されたいか?」
「えっ? う~ん。場合によるかなぁ~。訊かれたくないことは訊かれたくないかも」
「なーに。大して面白い話じゃあないさ。まぁなんだ。俺はあれこれじっくり考えて行動する主義。とでも言っておこう」
「ふ~ん。あっそ。分った。その質問は止めておく」
そしてかれこれ10分前後で図書館へと辿り着いた。
「じゃあね。バ~イバ~イ♪」
レーネは鋼鉄の腕を振って探と別離した。
探も軽く手を振って図書館の中へと進んだ。
図書館の外観を探は眺める。見た感じ、都会にならこんな図書館もあるかなぐらいの巨大で清潔感ある建物の図書館であった。
入口の自動ドアは現実世界と同様に近くに足を踏み入れた途端開いた。
「特にセキュリティはないようだな…」
館内案内パネルを発見。しかし、字が……。
「読めない? いや、これは……」
探は顔と腰を傾ける。すると、読めない字がどこかで見たことあるような……」
「そうか。これは漢字やひらがなを逆さまにしたものだ。さっき、レーネという少女が使っていた機械もそういや、逆さまの文字だったな。まぁ、読みにくいが、読めない文字ではないだけラッキーだな」
この世界の文字の読み方は理解した。探は歴史関係の書籍のコーナーを探し当て、そこへ足を運ぶのだった。