7「嫉妬」
「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」
前も俺の挨拶ぷつ切りだし。
「まあ2000文字丁度ルールなので仕方ありませんね」
ってかさ、思うんだけど。
「どうしました?」
飽きた。
「へ?」
いや、書くのに飽きたんだよねえ。
「それは困った問題ですね」
本当にこの展開で良かったのか。
これからどう描写したらいいのか。
それを考えると頭が痛くなって。
「それは誰もが通る道なんじゃないでしょうか?」
そうかなあ。
「出来はいいので、とにかく描写してみてください」
分かった。そうしてみるよ。
前回のあらすじを説明しよう。
ざっと言うなら、二人は子供を作る作業をしたのである。
「本当に大雑把ですね」
さて、これからどう進めるか。考えものだが。
神である以上、時間を強制的に進めることは可能だよな。
「可能ですが、安易に使いすぎない方がいいですね」
そうだなあ。とりあえず二人の関係をもうちょっと描写しよう。
――アダム視点。
僕たちは目を覚ました。
昨日は気持ちがいい日を過ごした。
イブも丁度目を覚ましたみたいだった。
さて、愛しい人とこれから生活を送るわけだが、こんなうさぎFUCKとか書かれている殺風景な部屋だといけない。何とかしていい部屋にしたいが、生憎、クレヨンとかもない。
「ん?」
辺りを見渡すと、一つの扉があった。
今までなかったはずだが。
私とイブは扉を開けた。
「わお」
何と中には大きなベッドがあったのだ。
ベッドの大きさは私とイブ二人が普通に入る大きさだった。
それ以外にもこの部屋だけ床も壁も綺麗に作られていて。窓もあった。
そういや外には一回も出たことはないな。
窓を開けれるか試してみたが、開けれなかった。
まあいい。
しかし、どうしてこんなところに部屋が? まああの声の持ち主のおかげかもしれない。
あの声の持ち主のおかげで、私たちはこんな幸せな生活が送れるのだ。
とりあえず私はその声の持ち主をこれから”神”と呼ぼうと思う。
どうよ。この綺麗な部屋は俺様が作ったんだぜ。
「スバラシイデスー」
棒読みとは、神に対して失礼だな。
「貴方の描写力は読者に対して失礼ですね」
何だと!?
「事実です」
ぐぬう。
「あと1100文字です。描写頑張ってください」
とりあえず、外に出れるような設定にしてみるか。
現状としては一階の西側の扉に寝室。東側の扉が外に出れるような設定だ。
外では聖書らしく木にリンゴがなっている設定にするとして、あまり範囲が広すぎないように3メートルほどの壁で周りを囲む必要があるな。
一応完成だ。
さて、今、現在の二人の状況を描写してみよう。
――アダム視点。
「……zzzzz」
って寝てるんかあああい!!
「きっとアダム様が作ったベッドの寝心地が良かったのでしょう」
どうするよ?
一応時間は進められるんだよなあ。
「ですね」
なら、それを使わせてもらうぜ。二人とも目を覚ませ!!
――アダム視点。
私たちは目を覚ました。
しかし、このベッド。寝心地が良い。
これほど素晴らしいもの用意してくれた神に感謝だな。
さて、腹が減ったな。
イブにも聞いてみたが、イブも腹が減っているみたいだ。
とりあえず、神のことだから食べ物を用意してくれてるのかもしれない。
私たちはとりあえず、今の部屋を出ていくことにした。
今の部屋を出た瞬間。目の前にはもう一つ扉があった。
私たちはその扉を開けてみた。
すると、何と外に出たのである。
辺りにはリンゴの実が宿った木々、美味しい空気。
気持ちが良い。
唯一残念なのが周りに大きな壁があるということぐらいだ。
もっと広ければイブと探検できたのに。
まあいい。
それよりも。
「リンゴ美味しい!」
イブがリンゴを美味しそうに頬張っていた。
私もリンゴの木からリンゴをもぎ取り、齧る。
う、美味い!
正に自然の味と言ったところか。
これも神が用意してくれたのだろう。神に感謝せざる負えない。
俺、感謝されてるな。
「ですねえ」
いいことした後はいい気分になるな。
「ですねえ」
さて、次は何を作ろうか。
ラビット、何かいい提案ある?
「それは神である貴方が決めることです」
また、それかよ……。
そうだなあ。動物でも作ってみるか。
寝室に猫でも用意しておこう。
これで二人はさらに喜んでくれるだろう。
――アダム視点。
私たちはリンゴをお腹一杯になるまで頬張った。
その後、しばらく、自然を満喫しつつ。
寝室に戻った。
寝室に戻ると驚くべきことが起こった。
そこに猫がいたのだ。
「わあ、可愛い」
イブは猫に夢中みたいだ。
あれ? この気持ちは何だろう。
イブが猫と戯れてる姿を見ていると、急に嫌な気持ちになった。
私にはこの猫がイブを奪ってしまいそうに見えた。
殺したい。この猫を殺してしまいたい。
この世界には私とイブ。二人だけがいればいいのだ。
どうよこの展開。
「ドロッドロですね」
だろ。少し面白くなってきたんじゃないか?
「そうですね。昼ドラを見てる気分です」
そろそろ2000文字だな。
「ですね。では皆さん。また次話で!」
また次