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36「約束の地」

「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」


 俺、描写力あるなあ。


「どうしたんですか突然? 頭でも打ったんですか?」


 違う。2000文字丁度でなかなかいい終わりに出来てるからさ。


「そんなことより描写続けてください」


 無視かよ。まあいい。進めるか。

 前回はアダムが宿屋に帰るシーンからだったな。





 ――アダム視点。


 宿屋の部屋のドアを開けるとき、人の気配がした。

 気のせいだと思っていたが、予感は的中した。


 目の前には黒いローブを来た何者かがいた。


「お前がアダムだな」


 声からして男。

 両手にはビーム状の剣を持っていた。

 待てよ? この男……。


「我はホープと名乗るものだ」


 そうだ。コロシアムの時の!

 しかし、なぜこいつが生きてる!?

 ラッドの魔術で死んだんじゃ!?


「どうやら、我を死んだものと思っているようだな」


 私の心を読んだのかホープと名乗る男は私に事の流れを説明した。

 どうやらコロシアムの時、彼はワザと姿を消したらしいのだ。

 なぜそれをしたのか、彼のこの発言が私の心を揺すった。


「我は神の下僕であるからだ」

「神の……下僕!」


 そうか……こいつが!

 しかし、どうしてコロシアムの時にラッドを殺さなかったのだろう?

 だが、今はそんなこと気にしてる場合じゃない!

 

「おい!?」


 私は逃げた。そしてテレパシーストーンを使ってラッドに連絡を取る。


「もしもしラッド」

「どうした?」

「ホープと名乗る男が」

「何!?」

「とりあえず今、逃げてるところだ。な!?」

「おい!? アダム!? どうした!? アダム!?」





 ――ラッド視点。

 

 アダムからホープが来たとの連絡があった。

 まさか、そこを狙ってくるとは。

 そうなるくらいなら僕と一緒に依頼を受けて、僕がアダムを保護しとくべきだった。

 

 今、アダムと連絡が取れない。

 クッ! ホープもアダムもどこにいるか分からない。

 しかし、このまま探すのをやめるわけにはいかない。

 僕はワープストーンを掲げた。





 描写終了。


「気になる展開ですね」


 率直な感想ありがとう。


「ホープとは一体何者なんでしょう?」


 描写見なかった? 神の下僕だと名乗っているだろ?


「ああ、貴方が作ったんですね」


 そうだ。すごいだろ!?


「きっと頭悪いでしょうねえ」


 おい、どういう意味だ。


「いえ、何にも」


 さて、本来ならばここで終わらせて、気になるまま次へ持ち越しってところだが、生憎、2000文字も書かないといけないんじゃなあ。


「次の描写、頑張ってください」


 分かったよ。仕方ねえな。





 ――アダム視点。


 気がついた時には私の手からテレパシーストーンが消えていた。

 目の前にはまさかのホープ!?

 さすが神の下僕、瞬間移動も私からテレパシーストーンを奪うのも容易いか。


「選べ、人間」


 選ぶ? 何をだ?


「そのままあやつに殺される未来を選ぶか。運命の人と再会を望むか」


 言ってる意味が分からない。

 運命の人はイブのことを指してるだろうけど、あやつとは一体?


「ラッドに近づいてはならぬ!!」


 なぜラッドに近づいたらいけないんだ?

 とにかく逃げなければ!





 ――ラッド視点。


 本が光だした。

 気になったので中身を読む。

 新たに文字が追加されていた。


 ”アダムを殺せ”


 アダムを殺す!?

 待て! あの場所で殺すべきじゃ。

 文には続きが乗せられていた

 

 ”約束の地にアダムの首を捧げよ”


 支離滅裂すぎて分からない。

 状況が変わったってことか?


 最初は僕が冒険者ランク1位になるのが条件だったはず。

 …………まあいい。状況が変わったんだ。

 ホープであろうとアダムであろうと殺せばいいんだな。


「ラッド!」


 まるで必然かのようにアダムが僕の元に走ってきた。

 恐らくホープから逃げてるのだろう。

 とりあえず、文の通りでいいなら約束の地でいいのだな。

 約束の地がある場所。アルーカ王国に向かわなければ!


 とりあえず、ホープの強さは僕が一番よく知っている。

 なるべくなら彼との戦いは避けるべきだろう。

 

「アダム! これを!」


 僕はアダムにワープストーンを手渡した。


「これどう使えば!?」

「とりあえず、ボカル草原をイメージして掲げて!」


 アダムはワープストーンを掲げた。

 よし、無事に移動出来たみたいだな。

 

「愚かな行為はやめることだ」

 

 黒いローブ。

 僕の目の前にはホープがいる。


「愚かな行為とは何だ? 神を殺すことがか?」

「分かってるじゃないか」

「残念ながら僕は神を殺すことを愚かだとは思っていない。むしろそうするべきだと思っている」

「貴様が神に挑み続ける限り、我は貴様の前に立ちはだかるだろう」


 異様な殺気。こいつとは戦うべきではない。

 僕もボカル草原へとワープした。





 ふう。


「あの、大丈夫ですか?」

 

 ちょっと危ないかも、矛盾が出てきそう。


「そうですよねー」


 さて、残り100文字程度、あらすじで締めるか。


 ホープに神を殺すことは愚かだと諭されるラッドだったが、ラッドは受け入れる様子はない。

 結局、ホープから逃げることになったラッド。ラッドは本に書かれた通り、約束の地に向かいアダムの首を捧げる決意をするのであった

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