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33「アダム、描写力成長か!?」

「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」


 なあ。


「どうされました?」


 ブクマが1件減ってるんだが。


「それがどうかされました?」


 超ショックううう!!


「俺は書きたいものを書く、評価は二の次だって言ったのはどこのどなたでしたっけ?」


 ああ、俺だよ!!


「責めるならブクマを外した読者ではなく、描写力の足りない自分を責めることですね」


 ああ、分かってんよ!!


 そういえば軽く人気がある小説を読んでみたんだが。

 それについて少し語っていいか?


「どうぞ」


 面白かった。というのも細かいところまで丁寧に描写されていて、それでいて冗長ではなく、読みやすかった。逆転劇も上手く描写されていて面白かったな。


 これが描写力なんだなあといったところを思い知らされたな。


「その小説を参考に自分の描写にも力を入れてみたらどうです?」


 簡単に言ってくれるけどな。難しいぞお。


「難しいのは確かですが、頑張る精神は大事ですよ」


 まあ出来る限り意識してみるよ。

 次はアダム達が雑貨屋へ向かうところからだな。





 ――アダム視点。


 私たちは雑貨屋へたどり着く。

 他の商店とは違い、この雑貨屋はどこかこじんまりとした印象を受ける。


 中へ入ると、白髪まじりの年長であろうお爺さんが嗄れた声で


「いらっしゃい」


 と私たちに言葉を投げかける。

 恐らくこの店の店主だろう。


「目的の品と……あった」


 ラッドの目線のほうへ目をやるとそこにはワープストーンがあった。

 ワープストーンは綺麗に棚一列に並んでいる。


「わお!!」


 私は思わず声を発してしまった。

 私が声を発した原因はワープストーンの値段だ。


「25万G!?」

「そうだよ。今日はこれが目当てで雑貨屋に来たんだ」


 ラッドは微笑みながら、ワープストーンを10個以上は手にとっただろうか。

 それを店主に向かって。


「会計お願いします」


 と声をかけて、レジに置く。

 さすが、コロシアムに優勝したお金持ち。

 1個25万Gもするワープストーンをたくさん買い出す精神に私は驚かざる負えない。


「そんなに買っていいんですか?」


 いくら賞金1000万Gを得たからといってここまで出費するのは常人には考えつかないことだ。

 私は心配だったので声をかけた。


「大丈夫だよ。1000万Gも手に入ってるし、それに僕は高難易度の依頼をいくつもこなしてきたからお金には困らないんだよね」


 さすが現在冒険者ランク45位のラッド。その余裕が買い物にも表れている。

 会計が済んだ。


「うーん」


 雑貨屋から出たあと、ラッドは”神の殺し方”という本を何ページもめくりながら悩んでる様子で声を発していた。


「どうしたんですか?」


 気になったので、私はラッドに声をかける。


「いや、この本に新しく文字が追加されてないか確認しているんだ」


 そう言いながらラッドは相も変わらず本をめくり続けていた。

 

 辺りが暗くなってきた。

 季節は冬なのだろうか今宵の夜は寒い。


 私たちは近くの宿屋に泊まり、明日を待つことにした。

 私はラッドに明日からどうするのか尋ねてみた。


「とりあえず、冒険者ランク一位を目指すために近くのギルドで難易度の高い依頼を受けようと思う」


 確か、神殺しの条件として冒険者ランク1位になる必要があったな。

 ラッドはそれを目指そうというのだろう。

 しかし、気になったことがある。


「確かその本には私がワープストーンを使えば神を倒す近道へ導かれるということが書かれてはいませんでしたか?」

「それなんだけど」


 ラッドはうーんと悩みながらこう言い放った。


「その文字が本から消えているんだよ」





 描写終了。


「お疲れ様です」


 どうだ。今回結構意識して描写してみたが。


「良かったんじゃないでしょうか?」

 

 そうか、お前には分からんか。この描写の良さが。


「それは読者が決めることですので」


 もういいよ。

 それより、今回から新しく始めたことがある。


「何です?」


 設定資料を作ることにした。


「え?」


 どうした?


「いや、設定資料は最初から用意してあるものだったかと……」


 ああ、今更だよ! 俺はこんなことも出来なかったんだよ!!


「まあ一つ成長したということで良かったのではないでしょうか?」


 まあ、設定は詳細に記録しておく必要があると思ったな。

 現在地すら忘れてたから、これがあればそういった情報をすぐに手に入れられるという面で助かる。

 わざわざ、話を読み返す必要も無くなるからな。

 ただ。


「ただ?」


 設定資料に記録するのすら忘れそうだ。


「…………まあ、頑張ってください」


 何だ。その蔑むような目は。

 さて、残り200文字を切った。

 思うんだが。


「はい?」


 ブクマ1件減ったの、この2000文字丁度っていう設定のせいじゃね?


「おおっとアダム選手! 自分の描写力を棚に上げ、評価されないのを設定のせいにするう!」


 まあ、俺の描写も関係しているのかもしれないけどさ。


「人から評価される描写を目指してください」


 何も言えることがねえ。

 そろそろ2000文字だぞ。ラビット綺麗な終わりの挨拶よろしく。


「皆さんまた

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