25「雷魔術師マルツ」
「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」
前回あらすじの途中で終わってしまったな。続けるか。
アダムはラッドと出会い。神殺しの旅を始める。
アダム一行はワープストーンでベルカ国にたどり着いた。その場所に来た途端何かに納得したラッド。
アダムはその様子が気になったが、今はラッドの後に付いていくことにした。
まあこんなところか。
さて、予想外の事態になったわけだが。
ここからどう盛り上げるかが作者の腕の見せ所だよな?
「ですねえ」
オーケー。描写続けてみるわ。
――アダム視点。
私たちは目的地まで歩き続けていた。
歩き続けていたといっても、私には目的地がどこにあるかが分からない。
ラッドは妙に納得したかのように進んでいるが、本当に大丈夫だろうか?
「やはりここだったか」
ラッドが感嘆の声を上げる。
「ここは……?」
目の前には大きいドームがあった。
ラッドはドームの外に貼られている張り紙を見て
「やはりだ! アダムのおかげだな」
と喜びの言葉を私に投げかけた。
「何が私のおかげなんです?」
「丁度ここで、コロシアムがあるんだ」
「コロシアム?」
私はラッドに頼んで張り紙を見せてもらった。
張り紙の内容はこうだ。
参加条件には冒険者であることが上げられ、勝ったほうは負けたほうのギルドポイントを全て奪うことが出来る。もちろん、死闘だから負けたら死ぬわけだ。開催期間は明日。受付もあと少しで締切という、丁度いいタイミングだ。しかし、死闘だというのにラッドの表情はとても嬉しそうだ。
「これで一気にランキングを上げることが出来る!」
「死ぬのは怖くないんですか?」
一応聞いてみた。
「こんなところで死ぬなら僕はその程度の人間ってことさ。神に抗う資格を得るためには!」
ラッドの目は真剣だ。
そう、彼は神に挑むのだ。
そのためなら自分の命を惜しまない。
私はどうだろうか?
神を憎み、神からイブを取り返そうとしている。
しかし、死ぬ覚悟なんてあっただろうか?
ラッドはまだ15歳だというのに、目的がはっきりしており、私よりしっかりしているように見える。
私も彼を見習いたいものだ。
「コロシアムですか? 面白そうな展開ですね」
だろ。しかし、俺を殺すために頑張られても困るんだが。
「仕方ないです」
もし、俺が殺されそうになったら、ラビット、命乞いお願いな。
「嫌です。私はすぐ逃げようかと思います」
薄情なやつだな。さすがうさぎといったところか。
まあ、俺は自由に描写が出来るわけだから簡単には死なねえさ。
それよりも彼らを掌の上で面白おかしく踊らせてやる。
道化師のようにな! アッハハハハハ。
「貴方本当に神ですか?」
まあ、これからどんどん面白い展開にしてみるから期待しててくれ。
「お願いしますね」
続けるぞ。
――アダム視点。
コロシアム当日。
私は観客席で戦いが始まるのを待った。
「皆さんお待たせいたしました!!」
司会らしき人物がコロシアムの中央で大声を張り上げた。
観客達が歓声を上げ、コロシアムの中は大盛り上がりだった。
「これより、第218回冒険者コロシアムの開催です!!」
そういえば、説明し忘れていたが、ラッドは今までコロシアムに参加したことがないらしい。というのもコロシアムは不定期でどこで開催するのか分からず、ラッドはランキングを上げるために3年間のほとんどを高難易度の依頼を受けることによって過ごしてきた。なので、コロシアムに参加するのは今回で初めてということになる。
「一回戦。マルツ・ベルセルツ対ランガー・フィート!!」
司会の声と共に両脇から二人の人物が現れた。
観客の歓声が湧き上がる。
「私たちに面白い戦いを見せてくれ。それではレディ! ファイ!!」
司会の合図と同時に戦いが始まった。
マルツと呼ばれる人物はそれと同時に何かポーズを始めた。
ランガーはまるでそれをさせまいとするかのようにマルツに剣を構えて突進した。
私はランガーが勝つと思っていた。
理由として、ランガーは素早い速さでマルツに向かっており、マルツがそれに対して、何か対策を施してるわけではない。私からはランガーの勝利は目前に等しかった。
「うわっ!?」
急に大きな雷がドーム内に落ちてきた。
ドームは上に穴が空いて、空があるわけではない。
それに今日は晴天だ。雷が落ちるわけがない。
雷が落ちたのは丁度ランガーの頭上からだった。
「勝者。マルツ・ベルセルツ!!」
ドーム内はマルツへの大きな歓声で埋め尽くされた。
もしや、あれは魔術?
まさか、私の推測が覆るとは。
しかし、雷魔術師がいるということはラッドはこのような強敵も相手にしなければならない。
私はラッドが少し心配だった。
ラッドに死なれては私のイブを探す目的は振り出しに戻る。
それに彼はまだ15歳の少年なのだ。こんなことで一生を終えるべきではない。
だが、彼は数万という冒険者の中の96位に位置する存在。
こんなところで死ぬはずがないと私は信じる。
「もう終わりですね。皆さん。また次で




