24「神殺しの旅」
「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」
俺は絶対死なねえからな!
「まだ言うんですか?」
俺は絶対死なねえ。
「まあ神ですからね。そう簡単には死なないでしょう」
どうしようかなあ。神の権限でこいつら無理やり殺しちゃおうかなあ。
「それだと読者の皆様が呆れて見なくなっちゃいますよ」
お前は読者と神の命、どっちが大事だ。
「もちろん読者です」
あのなあ。
「しかし、面白い展開になってきましたね」
まあ、神を殺すんだしな。
その過程を楽しみにしている読者もいるわけだ。
「読者のために丁度良く死んでください」
丁度良くって何だよ丁度良くって。
まあいい。読者は俺が殺されるのを楽しみにしてるみたいだが、俺はそう簡単には死なねえ。
というか死ぬわけにはいかねえ。
あいつらは神である俺を殺そうと意気込んでいるが、所詮、俺様の掌の上で踊っている道化師にしか過ぎない。
それを思い知らせてやろうと思う。
ってかさ、神も不憫だと思うわ。
「どうしてそう思うんですか?」
人間どもは何かしら不幸があるたびに神に縋ったりするわけだろ。
それならまだいいんだが、中には神を恨む者までいる。
別に神が何かしたわけじゃあるまいし。
「ある意味、現実世界の神も同じ考えを持っているかもしれませんね」
まあ。神というのはそういった責任を無理やり押し付けられる不憫な存在ってわけよ。
お前からもそれを請け負われてるわけだしな。
「何のことでしょうか?」
とぼけるのが好きだなあ。
まあいい。気が進まないが続きを描写するか。
「お願いします」
――アダム視点。
私たちは神を殺そうと誓った。
私はイブと幸せな時間を過ごすため。
ラッドは神になり、幸福な世界を作るため。
目的は違えど、やるべきことは同じだ。
「それで、神を殺すには具体的にどういう?」
「まず僕が冒険者ランク1位になる必要がある」
「理由を聞いてもいいですか?」
「この本に書かれてるんだよ。正直僕もなぜそれをする必要があるのかは分からないけど」
そういや、彼は現在、冒険者ランク96位の大物だ。
1位を目指すと言っているが、3年間で万単位から96位になったのだ。1位も不可能ではないだろう。
そういや、もう一つ気になった。
「神を殺すには私が必要なんですか?」
「必要だとこの本に書かれている。君はこの本の人物そのものなんだから」
私が神を殺すために必要。
正直、実感は湧いてこない。
しかし、私が必要とされているのであれば、それに従うまでだ。
私はイブと暮らせればそれでいいのだから。
「アダム! アダム!! その人の言うことを聞いちゃダメ!」
突然、声がした。
一体何なんだろう? イブの声に似てたような……。
描写終了。
「お疲れ様です」
疲れたよお。まだ900文字近くも書く必要があるんだし。
「そういえば、アダムが突然声を聞いたんですが、あれは一体?」
お前は俺にネタをバラして欲しいのか?
「そうですね。読者としては知りたいままでいたいところ」
まあ、俺は腐っても神だ。上手く立ち回って死なねえようにしてみせるからよ。
「その描写。楽しみにしています」
さて、続けるか。
――アダム視点。
私とラッドはリゲンに別れを告げ、旅に出ようとした。
「これを受け取って欲しい」
突然ラッドが私に何かを手渡した。
石みたいなものだった。
「それを額に当ててご覧」
私は言われた通りにした。
「うはっ!?」
突然目の前の景色が変わった。
何なんだ? 今の現象は
「これはワープストーンと行ってね。行ったことがある場所に自由に行くことができる代物なんだ」
言いたいことは分かる。しかし、僕はこの世界のことをほとんど知らない。
「不思議に思っているようだね。なぜ、君が知らない場所にワープ出来るかを」
「はい、宜しければ理由をお聞かせ願えませんか?」
「この本に書かれているんだよ。君と共に行動していればワープストーンは必要な場所へと僕たちを導いてくれることが」
「へえ、そんなことまで書かれているんですね」
「ここはベルカ国ヘルナン区のようだね」
ラッドはしばらく考える素振りをしたあと
「なるほど」
と納得したかのような声を上げて先へと進んだ。
「どうしたんですか?」
ラッドの妙に納得したかのような表情が気になったので聞いてみた。
「確証はないが、行ってみれば分かるだろう」
ラッドはそう答えるだけで、特に話すことはないといった感じだ。
まあ行ってみれば分かるわけだからいいか。
私はラッドに付いていった。
ふう。
「描写お疲れ様です」
神は大変だなあと思うことが度々ある。
「どうしてですか?」
だって、面白いストーリーを考えないといけないからな。
現実世界の神だって同じじゃないか?
「かもしれませんね」
さて、残り100文字ほどだが
あらすじで締めるか。
「お願いします」
アダムはラッドと出会い。神殺しの旅を始める。
アダム一行はワープストーンでベルカ国にたどり着いた。その場所に来た途端何かに納得したラッド。
アダムはその様子が気になったが、今




