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23「神の殺し方」

「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」


 前回は初めてブルースライムの依頼を完了したところからだったな。


「はい」


 今回からラッドが登場する。


「やっと話が進むんですね」


 ああ。

 でも正直、どういう展開になるか分からない。


「まあ描写してみてください」


 オーケー、やってみるわ。





 ――アダム視点。


 一ヶ月近い、時が流れた。

 私はブルースライムを倒した帰り、ギルドに戻り、いつもどおり依頼を完了しようとした。


 私はギルドに戻った。

 リゲンはいつもどおりだ。

 お客さん相手に、ん?


 何だろう? あの人から奇妙なオーラを感じる。

 その奇妙なオーラを放っている人物は銀髪の相当な美少年といったところか。


 リゲンはこちらに気づくと大声でこう叫んだ。


「ラッド様! あちらにいるのがアダムで御座います」


 ラッド?

 そういやスライムを狩ることに夢中で忘れてた。

 私は彼の到着を待っていたはずだ。

 すっかり忘れてた。


 ラッドはこちらに近づくと、微笑を浮かべて


「初めましてだね。君がアダムっていうのかい?」


 と聞いてきた。


「貴方がラッド・バットラーさん?」

「そうだよ。いやあ、会いたかった」


 やっと、会うことが出来た。

 これでイブの情報が分かるかもしれない。


「貴方はイブについて何か知ってる情報はないですか?」

「こんなところで立ち話もなんだから近くのレストランにでも寄ろうか?」

「それではお言葉に甘えて」


 私とラッドはリゲンに別れを告げて、レストランへと向かった。

 

「何でも好きなものを頼んでいいよ」

「それじゃあネギトロ丼で」


 さて、やっと重要人物に出会ったわけだが。


「リゲンからある程度話は聞いてるけど、君からもっとちゃんとした話が聞きたいな」


 ラッドのほうから切り出してきた。

 私はラッドに自分が知り得る情報を満遍なく話した。

 私はイブとアダブの3人で暮らしていたこと。

 私の家の庭にはリンゴの木が生い茂っており、壁が設けられていてそこから外には出られないこと。

 ある日、突然壁に大きな穴が空いて、そこへ進むと箱があり、中にこの剣が入っていたこと。

 この剣を手にした瞬間にいつの間にかこの世界にいたこと。

 あと、神の声を聞いたことなど。

 

 ラッドはその話を興味深そうに聞いていた。

 そして、こう口を挟んだ。


「やはり君は僕が探していた逸材だ」


 ラッドが私を探していた?

 どういうことだろう。


「君に面白いものを見せようと思う」


 ラッドはそう言い放つと、懐から一つの本を取り出し、私にそれを見せてきた。

 タイトルには”神の殺し方”と書かれていた。


「何ですか? それは」

「見ての通り神の殺し方が書かれてる本さ」


 ラッドは私に説明した。

 この本には文字通り、神の殺し方が書かれていること。

 どうやらこの本には私とイブのことが書かれていること。

 ラッドは私とイブを探していたことなど。


「やっと見つけたよ。これは僕、いや世界にとって大きな進歩となる」

「はあ」

「君は神の声を聞いたことがあるって言っていたね」

「はい、そうですが」

「どうだい? 神の声を聞いて何かしらいいことがあったかい」

「まあ、一応」

「今、君がここにいる理由は神の声が原因なんだと思うけどどうだい?」


 確かにそうだ。

 神が壁に大きな穴を開けなければ。

 神が私にその穴の中へ入るよう告げなければ。

 私はイブとずっと幸せに暮らすことができたはずだ。

 

「貴方の仰る通りです」

「最後に一つ聞こう。君は、神を殺したいほど憎んでるかい?」


 ああ、そうだ。憎んでいる。

 神が私からイブを奪ったのだ。

 憎まない理由がない。


「神を殺したいです」

「僕も同じだ」


 ラッドは語った。

 幼い頃から彼はこの世界に疑問をもっていた。

 なぜ、戦争、貧困、飢餓があるのだろうと。

 彼はそれに関してずっと悩んできた。


 ある日、古い図書館によった時、一つの本のタイトルが目に入ったという。

 それが”神の殺し方”という本だ。

 誰が書いたかは分からないそうだ。


 彼はその本を見たときに誓った。

 神を殺して、自分が神になることを。


「僕が神になった暁には、幸福な世界を実現させてみるよ」


 幸福な世界。

 その言葉を聞いたとき、私は私とイブが幸せに暮らしていた時のことを思い出していた。

 あの時は幸せだった。

 しかし、その幸せは神に奪われてしまった。


「君も僕と同じく神を憎んでいる」

「…………」

「どうだい? 僕と手を組んで神を殺そうじゃないか!」


 神を殺す。それが可能か私には分からない。

 しかし、私は


「分かりました。手を貸しましょう」


 いつの間にかそう返事をしていた。





 何? 俺死ぬん?


「どうぞ殺されてください」


 冗談じゃない。俺は神やぞ。


「しかし、面白い展開になってきましたね」


 そう言ってる場合か。あいつらにここまで来られたら。


「安心してください。死ぬのは貴方だけです。私は命乞いでもします」


 このウサ公め。

 まあいい。

 ってか”神の殺し方”とはまた随分物騒な本もあるんだな。


「そろそろ終わりの時間がやってきました。皆様、次回もよろしくお願いします」


 とりあえず、俺死

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