表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/43

21「プリンストーン」

「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」


 前回はストーリーの途中でぷつ切りになったんだが。


「申し訳御座いません。ルールですので、苦情なら神であるアダムが受け付けております」


 なんで俺なんだーい。まあいい。続けるか。

 前回のちょっと途中ぐらいでいいか。





 ――アダム視点。


 もちろん暗黙の了解ってだけだから、バレたら冒険者のランクを上げるどころか牢獄行きだ。

 本当この世界は何でもアリなんだなあ。


「おい! 聞いとるか!!」


 おっといけない。説明することばかりに気を取られて人の話を聞いてなかった。


「何か依頼を受けてみたいんだけど、何がいいかな?」

「依頼内容は多義に渡るからのう。草刈りから魔物狩りまで何でもあるぞ」

「何を受けたらいいんだろう?」

「一応、お主はわしにとって重要人物じゃ、死んでもらっては困る」

「では、依頼は受けるなと?」

「出来ればそうしてもらいたいのじゃが、その目は我慢出来ないって目じゃな」

「ああ」

「ならこれならどうかの?」


 リゲンが指さした張り紙を見た。

 張り紙の内容は

 

 依頼ナンバー4568320。

 依頼内容。ブルースライム討伐。

 場所。ミカル平原。

 ギルドポイント。スライム1体につき、1ポイント。


 こんな感じだ。


「ブルースライムは魔物の中でも最弱。簡単に出来る依頼じゃ」

「じゃあそれにする」

「注意したいことが少しあるが、まずは手続きを踏んで来い」


 ということで僕はリゲンに促されるまま、張り紙を取り、受付へと向かった。

 

「すいません。依頼を受けたいのですが」

「冒険者カードはお持ちですか?」

「いえ、今回が初めてです」

「ではこの石に触れてください」


 私は言われるがまま受付嬢が差し出した石に触れた。

 すると、その石はしばらく光だし、光終わると受付嬢は


「登録完了です。カードを作成するので、もうしばらくお待ちください」


 と部屋の奥へと向かっていった。

 しかし、石に触れるだけで登録完了とは、一体どういう仕組みになっているのだろう。


「あの石が気になってるようじゃな」

 

 俺の思念を読み取ったのようにリゲンが話しかけてきた。


「あの石は何ですか?」

「あれは”プリンストーン”といって触れた者の情報を登録する石じゃ、要は指紋認証みたいなものかの」


 リゲンは自慢気に私に説明してきた。


「お待たせいたしました」


 ついに冒険者カードが手に入った。

 カードの内容を確認する。


 冒険者ナンバー109642。

 アダム。

 ギルドポイント0。

 冒険者ランク61521位。


 大体こんな内容だ。

 恐らく、ギルドポイントが上がれば、ランキングも上がるのだろう。


「依頼内容はスライム討伐ですね。地図は必要ですか?」

「念の為にお願いします」

「こちらが地図になります。それでは行ってらっしゃいませ」


 地図は紙状だが、動いており、私の現在位置とスライムの生息場所を示す赤い丸が付いていた。

 しかし、プリンストーンといい。この世界結構進んでるな。面白い。

 そして初めての依頼。うー。ワクワクするう。


「おい」


 リゲンが話しかけてきた。


「何?」

「ブルースライムは最弱だから特に言うことはないが、なるべく素手で触らぬようにな」

「どうして?」

「スライム類の身体は酸性の溶液で出来ておる」

「それで」

「その溶液は人間の皮膚を溶かすものであるから、気をつけるが良い。まっ、ブルースライムじゃからそこまで強力な溶液ではないが」

「話はそれだけ?」

「それだけじゃ」

「それじゃあ行ってきます」

「気をつけるのじゃぞ」


 私はスライムを討伐しに、ミカル平原へ向かった。





 ふう。


「描写お疲れ様です」


 これ、俺たちの会話抜きにしても普通に1000文字行ってるよね。


「ですね」


 今までで、一番長い描写だったんじゃない?


「ですね。今回の描写は細かいところまでやっていて結構良かったと思いますよ」


 だろ。俺もやるときゃやるんだ。


「貴方の中では良かっただけでして、読者様からしたら微妙かもしれませんがね」


 お前が褒めるんだ。読者もいいと思ってるだろうよ。


「だといいのですが。それでは次、行きましょうか」


 えええええ!?


「どうしたんですか?」


 休ませてよ。


「ダメです。続けてください」


 残り350文字だし、あらすじでいいか?


「それでも構いませんよ」


 オーケー、あらすじを描写するのも大事だからな。やってみるぜ。


 ラッドの到着を待つアダム一行。アダムはラッドの到着を待つ間。街中を探索したりして、いろいろな刺激ある光景を目の当たりにした。その後、ギルドの依頼に興味を持ち、スライム狩りという初めての依頼を受けるのであった。


 うーむ。


「あと150文字もありますよ!」


 2000文字ってやっぱつれえわ。


「そういえば、今回も新しい単語が出ましたね。”プリンストーン”とか」


 ああ、それな。指紋の英語フィンガープリントから取ってプリンストーンとなった。


「貴方にそこまで考える知能があるとは」


 馬鹿にしてるのか。

 おっそろそろ終わりだ。


「皆さん、また次もよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ