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20「俺の特許確定な」

「さあやってまいりました第一回描写力コンテスト」


 今更なんだが。


「何でしょう?」


 最初はアダムとイブに子供を作ってもらって人類を増やそうと思ったが、原罪みたいなことになって急な展開になったことに自分でも驚いている。


「そういう時もありましたねえ」


 そして、10万文字突破出来るか不安でもある。


「安心してください。貴方にはこの小説で意地でも30万文字は突破してもらいますから」


 安心どころじゃねえ!!

 俺の描写で30万文字は無理があるわ。


「でも貴方の処女作”ヘブンズワールド”は25万文字もありますよ」


 不思議なんだよねえ。何で処女作は文字数多いのに書くたびに文字数減っちゃうんだろ。


「文章力が衰えたというより、単に想像力が欠けているからじゃないでしょうか?」


 確かにそうかも。

 書きたいものではあるが、想像力が欠けている故に文字数も少なくなるというのはありえる。


「なのでこの小説をきっかけに想像力豊かになってもらいたいですね!」


 そう上手くいくかねえ。


「さて、描写続けましょう」


 次へ進めるためにさっさとラッドに会ってもらいたいが、文字数考えるともうちょっと先延ばしにしたいんだよなあ。


「では貴方が今想像している世界について描写してみてはいかがでしょう?」


 そうだなあ。あっ。


「どうしました?」


 そういや18話目で専門用語が出てたな。


「”テレパシーストーン”のことですか?」


 ああ、詳しく説明したほうがいいか。


「要は電話みたいなものと捉えればいいんでしょう? それぐらい読者も分かるはずですよ」


 一応説明させてくれ。

 テレパシーストーンとは遠くの者とのやり取りをするために加工された石。まあラビットが言ったみたいに電話に近い。

 ただ電話と違う部分は相手に声で話すわけではなく、思念で会話するといった形だ。

 額に当てることによって、それが可能となる。

 ちなみに製造過程は不明だ。


「製造過程を不明にするなんて」


 仕方ねえだろ。そんな詳しい描写、俺には無理だよ。

 さて、初めて専門用語が出たわけだが、俺のオリジナルだぞ!

 特許とれるかもな。


「調べてみてください」


 調べてみた。なかった。


「おお! すごいじゃないですか!?」


 今、俺は人類史上上初めて新しい言葉を作ったってことだ。

 俺の特許確定な。


「ほんとに素晴らしいです」


 ちなみに他の小説では”爆裂陣”という専門用語を編み出したが、すでに先駆者はいるみたいだ。

 他にも俺が書いた”理想勇者ライア”とかでは”ボルトクラッシュ”とか”ツェルト”とか自分で考えた用語を使ってる。


「自分で考えた用語を使う。それが貴方の長所かもしれませんね」


 だな。


「でも不思議ですね」


 何がだ?


「電話はテレパシーストーンで異世界らしいのに、ザル蕎麦とか牛肉定食とか食事はいつもどおり出てくる」


 そこまで考えるのがめんどい。


「まあどう書くかは貴方の自由なので、これ以上口出しはしませんが」


 さて、次の描写なんだが。


「ラッドに会うところから始めてもいいし、世界観の説明から始めてもいいし、どっちからでもいいと思いますよ」


 分かった。俺の好きなように書いてみるよ。





 ――アダム視点。


 さて、ラッドに会う間は暇だから、私は街中を探索することにした。

 ちなみに情報屋に渡した剣は後でラッドが払ってくれるらしいので返してもらった。


 様々な店がある。

 武器屋からレストランまで様々だ。

 それだけじゃない。

 武器屋では剣から銃まで、レストランとかでは普通の食事から魔物を料理した食事まで、メニューが幅広いのだ。

 この世界は何でもありなんだなあと私は思った。

 馬を交通手段として使う人もいれば車を交通手段として使う人もいる。

 本当になんでもありなんだ。


 さて、暇なのでギルドの張り紙でも眺めてみる。


「どうした? 何か依頼でも受けるのか?」


 情報屋が私に話しかけてきた。

 そろそろ彼を情報屋と呼ぶのはやめよう。お世話になってるしな。

 彼の名はリゲン・スタックス。昔は冒険者をやってたみたいだが、事情により辞退、今は情報屋として食いっぷちを稼いでる。

 彼の情報網に96位のラッドがいるわけだが、知り合いに冒険者TOP100以内に入る人がいればすごいらしい。というのもこの世界には冒険者が万単位といて、ランキングを上げるどころか、途中で戦死してしまうものもいるそうだ。

 ラッドは12歳から冒険者を初めて、3年間でランク96位にまで上り詰めてる。

 普通ランキングというのは1位とか2位とか3位がすごいと言われるが、たった三年間で万の順位から100位以内にまで上り詰めるラッドはそれ以上にすごいと言える。

 それにリゲンは彼にはまだまだ伸びしろがあると言っていた。ということはいづれ1位も夢じゃないってわけだ。

 それとこれはリゲンから聞いた話だが、冒険者の間では暗黙の了解としてランキング争いのために殺し合いをやる者もいるらしい。もちろん暗黙の了解ってだけだから、バレたら冒険者のランクを上げるどころか牢獄行きだ。こ

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