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2「2000文字丁度とか無理ゲー」

「さあやってまいりました。第一回描写力コンテスト!」


 何だ? 何が起こった?


「言ったじゃないですかあ。2000文字過ぎたら強制終了だって」


 そういうことかよ。


「はい、そういうことです。ですので丁度2000文字で綺麗に終われるようにしてください」


 何という無理ゲー。


「さて、描写を続けてください」


 ええと、前回は2階に人間を上らせたんだったっけな。

 さて、次は何を描写するべきか。


 今現在部屋は二つ、二階建てになっており、どちらも高さ2m横幅2mと同じ部屋だ。

 後はそれを繋ぐ階段があるっといったところか。


 そうだなあ。適当にバランスボールでも置いとくか。

 俺は身長160cmの人間に丁度合う、バランスボールを創造した。

 そのバランスボールの上に人間を乗せてみる。

 そのバランスボールに乗った人間を座ったまま軽くジャンプさせてみる。

 やべえ、おもしれえ。


「何が面白いのかさっぱり分からないところが面白いところでしょうか」


 うるせえ! 別に悪い描写じゃねえだろ。


「さて、読者としてはそろそろ盛り上がりが欲しいところ」


 盛り上がりって言ってもなあ、どうすればいいんだ?


「まずは人間に自由意思を与えてみてはどうですか?」


 自由意思。


「はい、今まで貴方が人間を操っていましたが、その人間が自分で勝手に動くように作り変えるのです」


 めんどくせえ。


「おおっとアダム選手。爆弾発言。めんどくさいという理由だけで読者の期待に応えることをしない。これじゃあ読者が逃げていってしまうう」


 分かった。分かったよお。しかし、自由意思を与えるって言ってもなあ。

 どうすればいいんだ?


「とりあえず、人間が自動に動くイメージで頑張ってみてください」


 人間が自動にっか。

 とりあえず。創造した人間の腕を上げ下げするように念じてみる。


 オーケー、上げ下げしてる。自動で動くように念じてみて、それで念じるのを終わってみる。

 お!?


「おおっ! 人間が自動で動いたああ、さすがはアダム選手、神として初めての偉業を成し遂げました」


 腕が上げ下げしたぐらいでそんなこと言われてもなあ。

 おや?


 しばらくすると腕を上げ下げしていた人間がそれをやめ歩き出した。


「何とか自由意思を与えることに成功しました。さて、本番はここからです」

 

 とりあえず、俺はその人間を観察してみた。

 その人間は階段を上ったり下りたり、もしくはバランスボールを見つけて、それの上に乗っかったりしていた。しかも面白いことにバランスボールを蹴り始めたのだ。

 って、バランスボールは蹴るもんじゃねえっつうの!


「アダム選手」


 どうしたラビット?


「そろそろ描写力で重要な場面転換を学ばなければなりません」


 というのは?


「今、創造した人間がいますよね」


 ああ、そうだが。


「その人間の気持ちを描写して見なくてはなりません」


 ということは?


「今読者は神である貴方に感情移入していますが、作られたその人間には感情移入してはいません」


 それで?


「今度はその作られた人間に感情移入が出来る描写をしましょう」


 それで場面転換が必要ということか。

 しかし、どうしたらいいんだ?


「それは私にもほとんど分かりかねないですが、五行ほど空白を開ければよろしいかと」


 五行でいいん?


「大丈夫です。少なくとも今の会話を見て、読者は五行開ければ場面転換だなあと分かってくださいますから」


 オーケー、分かった。五行ほど空白を空けて、この人間の心情を描写してみるわ。


「果たして、アダム選手は自分が創造した人間の描写を上手く出来るでしょうか!?」


 いちいちうるせえな。やってみるから黙ってろ。





「あれ? ここは?」


 私は気が付くと白い部屋にいた。

 何で私はここにいるんだろう?

 状況が読めない。

 前の記憶があればまだ何か分かるかもしれないが、その記憶すらない。


 目の前にバランスボールがあるが、今はそれどころじゃない。


「ん?」


 よくよく部屋を探索してみたら下り階段がある。

 下ってみよう。


 下の階についた。

 しかし、そこには何もない。

 

 上の階と同じ白い部屋があるだけだ。

 しかし、この部屋は狭いと思う。


 下の階は特に何も無かったので上の階に戻ってみる。


 上の階にも特に何かあるわけではないが、目の前にバランスボールがあることが下の階との唯一の違いだろうか。私は何回も階段を上り下りをし、何かないか確認してみた。しかし、バランスボール以外特に目新しいものはなかった。

 なので私はバランスボールに適当に座ってみた。

 しかし、暇だ。

 バランスボールだけじゃ、何も面白くない。

 試しにバランスボールを蹴ってみた。やべえ、おもしれえ。





「これは酷い!」


 うるせえな。これ以上の描写が思いつかねえんだよ。逆にこんな少ない条件で冗長な描写が出来る人がいるのかって話だ。


「そりゃあ、いますよね」


 いるんかい。


「さて、2000文字まで残り100文字を切りました」


 おう、もう2000文字か。


「本日はここまでにしときましょう」


 だな。


「それでは皆さん。また次の機会に」


 また次

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