に、にゃんかでてきたー!?
「――へぇー、倉庫倉庫」
へぇー、そっかそっかーって感じでやってきたのがこの巨大な倉庫。どこかの会社のロゴマークが印されてあるわけでもないから、持ち主が分からない倉庫だ。
……それにしても、自分でギャグ解説するのって寒いにゃ。
「表面上はごく普通の物置っぽくしておきながら、地下ではどえらいことをしでかしているって訳かー」
「くっ……まさか【電流】=【捜索】で記憶を読み取るなどという芸当をするとは……」
「ってかこれって普通にできないの?」
「それは軍部でも一握りの専門家しかできないことだ」
ガルーダ先生はあたしにそんな芸当ができることを褒めると共に、あたし本人の認識が世間とは違って温い事にため息をついた。
「全く、どうやらお前に対する認識を改めなければならんようだ」
「…………」
あたしとガルーダ先生が話している間、拘束されているジャックとルヴィとで気まずい空気が流れている様だ。
「まさか、ロッド家の護衛が……」
「フッ、俺はとうにクビになった身。今更どこにいようが関係ない」
それにしても、やられている立場の人間にしては態度がデカいにゃー。
「もう一回電流流しておいた方が態度も治るかにゃ?」
「薫さん、それは可愛そうなのでやめてください」
「ちぇー、けどルヴィがそういうなら」
倉庫の外には今のところ見張りも立っていないし、中に入れそう。
「お邪魔しまーす!」
ガルーダ先生が後ろで引きとめようとしてたみたいだけど、あたしはそれを無視して正面から倉庫の扉を【電磁】=【直行】でぶち破ってやった。
「あぁ、またそんな事を……」
ルヴィが頭抱えちゃっているけど、その心配はなかったみたい。
「……誰もいない?」
倉庫の中身は空っぽで、荷物一つ置いてない。天井の明かりはつけっぱなしだけど、誰かを照らしているという訳でもない。
「……あれー? あたしの読み取り間違い?」
確かにここで合ってると思うんだけどにゃー。
「……待て。気配がする」
ガルーダ先生は何かを察知したみたいで、あたし達の前に出て辺りの様子をうかがう。
「一応、防御の方程式とか汲んでおいた方がいいのかにゃ?」
「出来るのならそうしておけ」
「だったら……【電磁】=【場】!」
あたし達の周りを囲うように、電磁場が発生する。これでいざという時銃弾程度なら防ぐことができると思う。
「……大人しく出てこい! ここに《悪魔の右腕》が潜んでいることはお見通しだ!」
「……ウクククク」
さっきも言った通りこの場所は明かりがつけっぱなしで、しかもかげになるような障害物もない。
だけどあたし達の目の前で、何もない所から影が生じ始める。
「ばれてしまっているか。ならば仕方がない」
影は人の形を模り、そして色鮮やかに肉体を染め上げていく。
「門番である私が相手をするしかあるまい。このニカラ=オムルエンデが」
影は細身の男となり、不気味な笑顔を携えた。




