これであたしが庶務でも大丈夫?
いいでしょう! あたしの実力を見せつけてやる! っと言いたいところだったけど……。
「十四階層以上の式使ったらヴィンセント先輩が怒っちゃうだろーなー」
……十二階層くらいなら、大丈夫でしょ。
「――【電気】=【飛行】=【操作】!」
地磁気に反発するように箒に電気を走らせ、あたしは箒ごと地面に弾かれるように浮かびあがる。
「ひゃっほー! 簡単簡単!」
さっき表面を銀でコーティングたおかげで電気が流れやすいし、よく飛ぶよく飛ぶ!
「ルヴィも早くしなよ! これけっこうおもしろいよ!」
「薫さん! 丸見えですよ!」
「えっ?」
どうやらルヴィはあたしに向かって、パンツが丸見えだと伝えたいらしい。
ん? 丸見えなの?
「あっ!」
あたしは顔を真っ赤にして急いでスカートを伸ばして隠し、皆から見えないように更に上へと飛んでいく。
そしてあたしが勢いよく飛んで行く姿を見た先生が、慌てた様子であたしに叫びかける。
「貴方! 合計して十二階層になっているけど大丈夫かい!?」
「薫さんなら大丈夫ですよ、先生。だからこそあの方は庶務になられたのですから」
下で何か先生とルヴィで話しているけど、その間に軽く学校を一周しようっと。
「もっとスピード上げていこー!」
あたしは今、外から学校の様子を見ることが出来ている。窓からは他の人の授業風景や、先生が事務の仕事をしている様子とかも全部丸見えだ。
……あっヴィンセント先輩に見つかった! 逃げなきゃ!
「あははは! ……この街って結構広いんだにゃー」
流石に外に出るには防護膜を抜けなきゃいけないけど、それでも街の様子も一望することができた。
シュラスタよりも圧倒的に大きな街。あたしはまだ駅方面しか言ったことが無いから、他の所も見てみたい。
「っと、そろそろ戻らないと」
授業放り投げちゃっているところだった。
「――戻りましたー」
「ほら、彼女は息一つ切れてないでしょう?」
「……確かに、一年生で例外的に庶務を請け負うだけはあるわ」
ん? 何の話?
あたしが箒から降りて帰ってくると、ルヴィと先生はまだ話を続けている。そして周りの生徒の視線が再びあたしに集まる。
「……えーっと、授業放り出してすいません……」
「そうじゃないわ。貴方、十二階層の魔導方程式を解いておいてそれだけぴんぴんしているなんて、凄いなと感心していたところだ」
まあ、本当はもっとすごいんだけど。
周りの生徒の視線も、さっきみたいに馬鹿にするような視線じゃなくて、素直に凄いって感じの視線を向けている。これで分かったかー! あたしが凄いってことに!




