あたしが庶務にー!?
あれー? あたしなんで全校生徒の前に立っているんだっけ?
「――本日より急遽、生徒会庶務を継ぐことになった一年生の東条薫だ。皆にはキリュウが退学した理由は既に告げてあると思う。そのキリュウと、アレクサンドロ=ドゥルガーの二人からの指名だ。意義があるものは今ここで申し立てよ」
そしてなんで学長から直々に生徒会庶務につくことを説明されているんだっけ?
「……無いな。ならば、以降何も文句が出ないことを祈る。以上だ」
――そうだった。確か昨日の時点で、アレク先生からそう言われたんだっけ。
◆◆◆
「――めちゃくちゃ責任重たくなったんですけど!?」
全校集会が終わった後の講堂にて、あたしはヴィンセント先輩に文句をぶつけた。
キリュウ先輩が辞めるのは分かるけど、どうしてアタシがそんな事しなくちゃいけないの!?
「知るかよ。もとはといえばてめぇがあのジジイの前で自慢げに十二階層の魔導方程式を解いたのが原因だろうが」
そりゃまあ、そこを突かれたら何も言い返せないけど……それでもあたしは了承していないもん!
「あっかんべー!」
「何があっかんべーだ……」
ちぇー、ルヴィのところに行こうっと。
「ルヴィー!」
「薫さん! 凄いですね! 生徒会庶務の職に就かれるなんて!」
あたしは生徒側の席に残ってくれていたルヴィの方へと一目散に駆け寄る。ルヴィはというと、一年生で生徒会に入ったことが凄いと褒めてくれた。
「いやいやー、あたしがやりたくてやっている訳じゃないんだけどね」
「それでも一年生で生徒会だなんて、尊敬します」
正直やりたくないんだけど……うーん、ルヴィから目を輝かせながらそう言われる分にはなっておいて得したのかにゃ?
「まあ、やれるだけやってみるよ!」
「その調子です! 薫さん、応援していますから!」
にゃーんか自分でも単純すぎるような気もするけど……ルヴィから言われちゃうとやる気が出ちゃう不思議。
とにかく庶務として任命されたからには、何か仕事をしないといけないんだけど――
「今のところは仕事も無い……か」
《悪魔の右手》の手がかりもまだ出てきていないし、今のところは放課後に生徒会室に集まる様にということしか言われていない。
「これから暇だしー」
「授業の方はどうなされるのですか?」
「授業かー……そういえばまともに受けてなかったからうけてみよっかな」
「でしたら、箒で飛ぶ実践演習が含まれた《解析空力学?》を受けませんか? 薫さんも空を飛んだことは無いでしょう?」
「箒で空を? 面白そうじゃん! 早速行こうよ!」
「ええ! もうすぐ開講ですから――【風速】=【疾走】!」
あたし達は文字通り、風のように学校を駆け抜けていった。




