にゃんか分からないけど怒られたー!?
「ヒ、ヒィイイイイイイッ!」
えーと、そんなに怖がらなくても……って、リーダーっぽい人を瞬殺だからビビって当然か。
開幕【電磁】=【直行】でリーダーの男をぶっとばしたあたしに対し、残りの奴等はビビって手も足も出せない様子。
「……じゃ、ここから先輩がよろしくお願いします」
「何だそりゃ……ったく、てめぇらも分かるよな? 誰を敵に回しているのか」
「は、はいぃい!」
「だったら大人しく拘束されていろ。駅に着き次第、てめぇ等を軍に引き渡す」
ヴィンセント先輩は【鋼鉄】=【錬金】=【錠前】で残りの人を拘束すると、あたしに席に戻るように言ってきた。
「俺はこいつ等を見張っている。てめぇは戻って状況を伝え、そしてそのまま見張りを続けろ」
「了解しましたー!」
ということで、あたしはヴィンセント先輩を置いて元の車両へと戻る事に。
途中後ろで何があったか聞かれたけど、取りあえず全部先輩の手柄ってことにしておいた。だっていちいちあたしが十二階層の魔導方程式を解いたなんて言ってらんないもん!
「っと、そうこうしている内に到着」
あたしは席に座ろうとしたけど、その前にルヴィから襲撃の件について聞かれる。
「どうなっていたのですか?」
「大丈夫だったよ! 即、【電磁】=【直行】で全部解決! 残ったやつは今ヴィンセント先輩が拘束しているから、あたしだけ戻ってきた感じ!」
「二人とも、お怪我とかありませんでしたか?」
「あーちょろいちょろい、そんなの無かったよ!」
「良かった……」
「まあお前ならそんなもんだと思っていたよ」
「なっ!? 少しは心配してくれてもいいんじゃないのフューリー!?」
「悪かった悪かった!」
全くもう、あたしだからってそんなこと言わないで心配くらいしてくれてもいいんだよ!?
「むぅ……まあ実際余裕だったからいいけど」
それより眠くなってきたにゃー……。
「ふぁあ……あたししばらく寝るから、なんかあったら起こしてにゃー」
「? 具合悪いのか?」
「んーん、違うけど……」
なんとなく眠いんだよねー。
◆◆◆
「――おい、おい!! 起きないか!!」
「うぅん……もう少し寝かせて――」
「起きなさい! ッ、この!!」
痛ったぁー!! 何か分かんないけどビンタ喰らったー!?
「ハッ! 何するのさ!? って、あれ?」
何で男の時のあたしが立っているの?
「やっと起きたか……」
それに周りを見渡しても列車の中じゃなくて、生まれ変わった時と同様に暗闇の中に寝転がっている。
「……どういうこと?」
「どういうこともこういう事もあるもんか! あんた、少しあの世界で暴れすぎだ!」
「ふぇ? だって魔導方程式を解く才能は元々あたしが持っているものだから、いくら使ってもイイじゃん」
「はぁー、それがダメだと言っているのだよ!」
目の前のあたし、もとい俺は頭を抱えてため息をついている。
「少しはバランスを考えろ、自重をしろとあの男も言っていただろうに……」
「ヴィンセント先輩が? えっ!? もしかしてあの人の中身って――」
「それは違う。あの男はあくまであの世界の道理でもって言っただけだ。そして神である俺の忠告は、あの世界の摂理でもって言っているんだよ!」
えぇー、なんかめんどくさい感じー。
「意味分からない。分かりやすく三行で」
「お前の
魔導方程式で
世界がこわれる」
「えぇっ!?」
どういうこと!?
「正しくは世界の基準だがな。とにかく、これから先気を付けるように言いに来ただけだ。決して上から文句言われたから言いに来たわけではないぞ。俺が自分で決めた事だ」
へぇー、神様にも上下関係があるのかな?
「……とにかく、戻っていいの?」
「ああ。ただし、俺の言葉をよーく身に刻んでおくように」
「へーへー」
「ちゃんと返事をしなさい! こら! 中途半端なところで意識を取り戻すな――」
「――ふぁあ……あれ?」
「あっ、ちょうどよかったです。駅に着きましたよ」
「あっ……そうなの」
あたしは辺りを見回し、魔導方程式の世界へと戻ったという実感を得る。
「……どうかしましたか?」
「いや、なーんにも!」
まさか神様と話してましたーなんて言える訳もないし……まっ、ちょっと気を付ければ大丈夫か!




