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こう、静電気でバチンっと!

 そういえばここの人達は魔導方程式を勉強していないんだし、深い階層の魔導方程式をバンバン出してもばれないのかにゃ?


「……ねえルヴィ」

「どうしたのです?」

「ここの人達って、魔導方程式の知識がないって解釈してもいいんだよね?」

「ええ、まあ……っ! まさか――」

「そのまさかだにゃー」


 後ろでルヴィが止めるような言葉をかけているような気がするけど気にしなーい。


「さてさてー、次はあたしがいっきまーす!」

「ほう、チミかね。チミは随分と自信があるようだし、少々強い相手をぶつけても構わないかね?」

「もちろん!」


 するとグラモリウスは自信ありげに一人の女性を指名した。


「……カグラ曹長。チミならいけるのではないかね」

「お呼びですか」


 これまた典型的な軍人さんが……キリュウ先輩と違ってこっちは冷静な判断を下すタイプの軍人さんみたい。


「カグラ曹長。チミならデモンストレーションもお手の物だろう?」

「お言葉ですが私はあくまで実戦でのみしか戦ったことが無く、こうした遊戯のような戦いにおいて手を抜くなどということができません」

「じゃあ本気できたらどう?」


 あたしは挑発的な言葉を笑顔で吐くと、相手側のカグラという人は少しだけムッとした表情を浮かべてこちらを睨む。


「……生憎だが、本気で命を落とすつもりでゆくことになる」

「おっけーおっけー。どうせゴム弾だし大丈夫でしょ」

「……チミ、流石にこれはまずいんじゃないかね」


 先ほど卑怯な手を打ったグラモリウスですら、あたしの心配をし始めている。

 だけど正直負ける気がしない。あたしはあくまで勝つつもりでいる。


「さあ、どっからでもかかってこーい!」

「ああもう、薫さんったら……」


 後ろではルヴィがあたしの行動に対し頭を抱えている。

 そして挑発行動にキリュウ先輩もまた、苦言を言わずにはいられないようだ。


「いくら十二階層の魔導方程式が解けるとはいえ、あれだけの行動は目に余ると思うが……」

「……キリュウ先輩、あの人は十二階層の魔導方程式“が”解けるというわけではないのです」

「どういう意味だ?」

「――試合開始!!」

「すぐに決着をつける!!」


 カグラと呼ばれた女性軍人は素早く駆け寄って距離を詰め、決着をつけようと銃をこちらへと向けたが――


「【光速ソニック】=【消失バニシング】!」

「何ッ!?」


 あたしは閃光を放ち、カグラの目の前から一瞬で消えて背後へとまわる。

 そして次なる魔導方程式を解くと共に両手の人差し指に電気を溜め、人差し指と人差し指との間に電流を流し始める。

 そしてもう一度だけ【光速ソニック】=【消失バニシング】で今度はカグラの頭上へとあたしは出現すると、そして両手の人差し指をそのままカグラのうなじへと触れさせる。

 そして――


「薫さんは――あの人は十二階層の魔導方程式“も”解けるのです」


「――【電流パルス】=【圧搾コンプレッサー】!!」


 バチィン、という破裂音に似た音を鳴らしながら、カグラの身体に静電気をより強烈にしたものが流れていく。


「がっ――」


 体に大電流が流されたカグラは、一瞬にして気を失ってその場に倒れた。


「まっ軽く気絶させただけだし大丈夫でしょ!」

「な、なんと……」

「はぁ、やっぱり……」


 キリュウ先輩はあたしの魔導方程式に対して、信じられないといった様子でいる。


「こ、【圧搾コンプレッサー】だと……あれは第十一階層の呪文スペルのはず、それを組み合わせてだすなど、ありえない……」

「よっしゃー、勝ったぁー!」

「な、ななな……なぁっ!?」


 流石のグラモリウスも二度も起きた不可思議な瞬間移動に加え、一瞬で気絶するほどの大電流を見てしまっては絶句をせざるを得ないようだ。


「これで分かったー? あたし達魔導師の強さってやつを!」


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