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天罰だにゃー!?

「――とはいえ、上手くいくかにゃー」


 持参したタオルを持って、あたしとルヴィは女性用のシャワー室の方へと向かう。キリュウ先輩は交代でシャワーを浴びるため、部屋にフューリーと一緒に残っている。


「まさか軍を相手に戦闘演習を仕掛けるなんて、薫さんって結構大胆な考えを思いつきますね」

「そう? だってここに施設がないってことは、魔導方程式マジックカリキュレーションを軽視しているってことでしょ? だったらあたし達でガツンとやってやらないと!」

「……本当に、大胆不敵な方ですね」


 ルヴィはあたしの方を見て微笑むように笑いながらも、魔導方程式に対する考え方は認めてくれた。


「あたしはズバッというタイプだから、大胆不敵に見えるかもねー。それに――」


 無防備なルヴィに向かって、あたしは話の途中でいきなり飛びついてこういった。


「こっちの方も大胆不敵なのさ!」

「えっ!? 薫さん!?」

「やっぱり自分より成長しているとは羨ましいにゃー」


 前世だったら一発で警察行きだけど、同性だから胸を揉もうがセーフ! っていうか、ルヴィってパッと見あたしと同じくらいかと思っていたけど、もしかして着やせするタイプ!?


「こんにゃろー、あたしより発育がいいとはどういう了見だー!」

「ちょ、ちょっと薫さん!? やめて、あっ……ひゃぅ!」


 おやおやー? 軽く揉んだだけで変な声がでているけどー?

 それにしても自分のを揉んでもなんともないけど他人のを揉むと少しイケナイ気分になっちゃうのは、あたしの前世が男だからかな? っていうか、だいぶ前世の記憶が薄れている気がするけど大丈夫かあたしー。


「愛い奴よのう。どれどれ、こっちの方は――って」


 ものの見事に他の軍人女性の方々から見られているんですけど……。


「……ジョークですよジョーク! ほら、友達同士だから!」


 あたしはすぐに手を離して今更ながらの釈明を行ったが、周りからは見て見ぬフリという謎の気遣いを受けてしまう。


「はぁ……はぁ……っ」


 ち、ちょっとルヴィ!? 変に興奮した様子でその場に座り込まないでくれる!?


「……と、取りあえずシャワー室に行こう」


 何とかそこで色々と洗い流せばセーフ! セーフだから!



          ◆◆◆



「ゴメン! 冗談のつもりだったんだよ!」

「知りません! 薫さんの変態!」


 あーあ、流石に怒っちゃうよねー。

 あたしとルヴィは今、仕切り一枚を隔てた個室型のシャワー室越しに会話をしている。


「だって、自分より大きいって気になったりしちゃうじゃん? 一体何を食べたらそんなに大きくなるのかなって――」

「私は普通の食べ物しか食べていません! 強いて言うなら毎朝しぼりたての牛乳を飲むことです!」


 あっ、怒りながらもそこは答えてくれるんだね。

 あたしは眼鏡を近くにおいた後、赤い方の蛇口をひねって温水を出そうとしたが――


「あっつぁ!?」

「っ!? どうしたのですか!?」


 あまりの熱さゆえに、頭からかぶったとたんにあたしはシャワー室を飛び出してしまった。


「あっつあっつ! 普通それなりの温水が出るんじゃないの!?」

「赤い方をひねれば熱湯が出るのは当然では? 青い方で調節して使うのですよ」


 あぁっ、中途半端に文明が進んでいるなあもう!


「あっつあっつ……全く」


 何とか調節したところで、ようやくまともに浴びれるようになった。やれやれ、さっきルヴィを弄った罰とでもいうべきか。


「熱かったー……ありがとうルヴィ」

「いえ、どういたしまして……それよりも大丈夫ですか? 冷やした方がよろしいのでは?」

「そこまではいかないと思う……ごめんねルヴィ」

「いえ、薫さんが大丈夫なら」


 お互いに言葉を交わしていくうちに、さっきまで剣呑としていた雰囲気も自然と消えて行っている。

 あたしはルヴィの優しさに感謝すると共に、これ以上変なコトをすればまた熱湯を被る事になるかもしれないなどと、他愛もない考えを一瞬持ってしまった。


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