7 四日目。福島・山形(4)
(本日の走行予定)
山道から県道233号に至り、少し進んだ所で右、左、の分かれ道でした。
行は左ルート。このまま233号を進み、米沢市西側を通り過ぎて、国道287号を最上川に沿って北上します。
蘭は右ルートでした。ここから県道234号、2号とつたって米沢市入りし、そこから国道13号で北上します。
ここから先、最初のめぼしい湖は、秋田県の田沢湖くらいしかなく(それも明日予定)、また、彼女の精神状態からしても、自分と一緒の方がよかろうと勧めたのですが、やんわりと拒否されてしまったのでした。
「本能的な感覚なんだけど――」彼女は言います。
「どうぞ」
「自分の“まっすぐライン”から、あまり離れたくないの……。特に今は」
理解できる話でした。
「旅人にはその感覚が一番大切です」
行はというと、彼女のためならとっくに自分のテーマ、“できるだけまっすぐ”は打ち捨てる心があったのです。ですが、ここ以降の蘭のルートでは、ゾーンぎりぎりで、行もまた、なんとなくですが、嫌な感覚を覚えていたのでした。
してみると、恐い物知らずとはよく言ったもので、よくぞまぁ、日光東照宮の観光ができたものです。それはもういいとして――
「では、ここからまた別行動です」
踏ん切りを付けるため、はっきりと言葉にしたのでした。
「はい……」
「県北地点で再び合流するまで、可及的速やかに走りましょう」
「はい……」
「このたびは、ガンガン電波飛ばしますからよろしく」
「はい……」
「もうハダカネタはダメですからね?」
「はい……」
「なんなら、してもいいよ?」
「はい……て、なにドサクサに紛れてるんですか!?」
と、ようやく笑顔を取れたところで、二人は出発したのでした。




