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12 浜坂(9)

 さぁ、それからあとのことですよ!?

 当然、見守る一同の期待の目の前で、お団子を一玉、ぱくり、もぎゅもぎゅ、ごくん、とやった文太郎さんだったのです! おお――!?(笑)


 結果的に言えば、グンマー一族の目論見は成功したのでした。薬効(あらた)か、効果覿面(てきめん)というもので――

 お団子は、文太郎をして、日本人の平均寿命くらいまでは平気で生きながらえさせるのでしょう。

 お団子の成分は今後詳細に分析され、結果医術を進歩させ、世界を広く救うことになるのでしょう――が。

 嗚呼、この時――!


 木藤文太郎。薬が、効き過ぎた!!!


 全身から熱気が溢れ、肌は赤く火照り、まるで毛穴という毛穴から高圧蒸気を吹き上げているかのようで!

 ギロッ、と照り輝く眼光を、花子さんにロックオン! いきなり野獣のごとく襲い掛かると、あっという間にベッドに押し倒したのだ――!

「こらっ、こらっ、ばかっ――!」

 抵抗もまるで児子(じし)扱いで、ああ文太郎、おお文太郎、やりたい放題!

 ずれた眼鏡顔で花子さん、

「ばかっ、ばかっ、順番、アイラビューの言葉がまず先でしょうが!?!」

「あいらびゅう」

「ばかーーっ、あっ、あっ、あん、はあ~~ん……」

「がおうがおう――」

 ――


 ――あの異世界に、花子さんは“一ヶ月”ほど滞在したといいます。

 その間、この花子さんが、愛の歌を、歌ったり踊ったりしたのだそうです。

 ……そりゃあ、特に。グンマーの男衆には、絶大な人気が出たはずだよな……。


 そこまでバカな考察が進展したところで、真っ赤な蘭に耳をつままれ、部屋の外に強制ワープアウトさせられたのでありました。

 この騒動はたちまちのうちに病院中に知れ渡り。団子のせいだというぼくらの釈明もけんもほろろ。逆に断りもなくヘンな物を摂取したということで、火に油をそそぎ、文太郎、花子の両人は並んで正座。青筋たてた院長先生の大目玉を食らったのでありました。

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