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消えゆく世界

作者: 尚文産商堂

おそらく、俺たちが気づかなかった方が悪いのだろう。

気づいた時には、遅かった。


宇宙の端を観測しようとして、衛星を打ち上げてみたところ、宇宙は赤方偏移ではなく青方偏移をしていることが判明した。

それは、端が猛烈な勢いでこちらに迫ってきているということを意味している。

判明して以来、人類は宇宙からの脱出を目指すようになったが、それはできない相談だった。

なにせ、人類は、惑星間どころか、月に基地を作るのがやっとという状態であった。

だから、データだけを逃がすだけで精いっぱいだった。

それが、自分だと気付いたのは、はるか未来の話。


「……そして、自分がここに来れたのです」

そのような衝撃的な告白を受けても、俺は何も考えられなくなった。

宇宙がなくなるということは理論的にはあり得るであろうが、この宇宙ではありえないとされている。

いまだに赤方偏移を続けている宇宙は、はるかに膨張をしている。

もしかしたら、平坦な宇宙となり、この宇宙は素粒子レベルにまでばらばらになるという話まである。

「君の話はとても興味深いが、おそらくこの宇宙ではそのようなことはならないだろう。だが、君の技術には興味がある。そのあたりも詳しく話してくれないかな」

「ええ、そのために、自分はこの宇宙へ飛んできましたから」

彼/彼女が与えてくれるデータは計り知れない価値があるだろう。

それがどのように、この宇宙を変えていくのかは、誰も知らない。

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