AOI 第100話
階段を降りるところに、トレーの置き場所や分別のゴミ箱があった。私達は、列を作って並んでいた。片付けたあとに右によけて、ごちゃごちゃと丸くなっていった。最後の翔太君が片付けたのを見届けた、ごちゃごちゃの先端が階段を降りはじめた。私は、のあちゃんにくっついてと思っていたら、男の子達の間で階段を降りることになった。前は浩次君、後は葵君。何段目か降りている途中。葵君が、
「そのオーバーオール、〇〇のところじゃない?」
と、声をかけてきた。私は、葵君が話していたところのオーバーオールを着ていたから。私の事だ。オーバーオールのブランド名まで知っている。と、驚いた。振り返って、
「そう。」
と、言うのが精一杯だった。耳まで赤くなっているはず。鏡を見なくてもわかる。降りかえりながら、階段を降りている。葵君は、続けて、
「それ、かわいいよね。」
って、話してきた。かわいい?葵君は続けて、
「形がいいよね。」
と、言っていた。私は、自分もそう思っていて、お年玉で、悩んで悩んで買った物だったし、すごく嬉しかった。わかってくれる人がいたって。私は、ほめられた事のうれしい気持ちで、
「わっありがとう。」
と、言った。ありがとう?ありがとうは変じゃないかな。今の私の伝えられる、言葉だったと思う。階段を踏みはずしそうな降り方で、葵君の方に体を横にむけながら、お店の自動ドアまで。外に出ると、のあちゃんが、
「外寒いねー。」
と、隣にきてくれた。翔太君はその隣に。前には、浩次君葵君朔太郎君が横に並んで歩いている。駅には、入り口が櫓の形をした、地下通路があって、駅前のロータリーのバスや車を心配することもなく、駅前の大通りの信号待ちも気にすることなく、雨や雪の心配もなく向かい側に行く事ができるのだ。そして地下通路は話し声がとても響く。人の笑い声はそれこそだ。すれ違う時に、こんな顔の人が、あの笑い方なのかと思うし、そんなに笑える事、一体何があったのと、とても知りたくなる。地上に上る階段が見えた。上りおえてしばらく歩くと、右にサティの入り口が見えてきた。サティは、その先の信号機の方と反対の裏側に、3ヶ所の入り口がある。私達が入るところは、アクセサリーとか洋服屋があって、信号機の所の入り口には、ドーナツ屋が、裏の入り口には食料品日用品やドラックストアがある。お店の横には立体駐車場があって、各階と出入りができるようになっている。4階建てで、モールと同じお店がいくつか入っている。浩次君が、
「漫画の続き欲しいから本屋行こう。」
と、みんなで3階に、入り口脇にあるエレベーターで行く事になった。




