EPISODE3
「さて」
ドラーは自分のネクタイを少し緩めながらソファに腰掛け、持ってきていたカバンから紙の束を取り出す。
「準備の間お客様は楽にしてくれ、それとも何か頼むか? もちろん費用はこちらで負担する」
(半ば無理やり連れてこられた上に、金も払えだったら流石に鬼畜すぎんか...?)
まだ何を言われるのかもわからないうちから床で正座。既に負け確定イベントの様相を呈していた。
しばらくして彼女の準備が終わり、私も正対する。やっぱり正座で。
「何故そんな所に座るんだ、隣に腰掛ければ良いだろうに」
「古来より伝わるこういった状況での正しい話の聞き方だ、気にしないでくれ」
「まぁいい、本題に入ろう。お客様が奪還地01に拠点を移す際、拠点構築の物資はミシリスのクソg...シュエンが支援したと聞いているが間違いないか?」
「その通りだ」
「では、一般的な生活必需品の調達うはどうなってるか」
「その辺は個人の好みもあるから特に決まっていない。必需品ではないが鏡ばかり見る娘もいたんでな、今は既に出てしまっているが。ちなみに姿見の扱いはあるか? あとは大理石」
「勿論あるが、それならヤンに聞いた方が早いだろう。しかし鏡が好きとは随分と変わったニケだな? データベース上にそんなニケはいなかったはずだが...」
「それはそのうち話すよ、機密事項だから」
流石に元ヘレティックが奪還地に居たなどとは言えるわけもない。
「まぁそういった変わり者の好みにも合わせられる品を提供できるのが私の強みだからな、ウンファのブラからアルトアイゼンのミサイルまでなんでも揃えてみせるさ...話が逸れたな」
ドラーの冗談が聞ける稀有な状況に顔が綻びそうになるが、油断はできない為冷静に考える。
「つまりはテトラにも一枚噛ませてくれっていうのが今回の主旨でいいのか?」
部屋に連れ込まれた時はどうなる事かと肝を冷やしたが、案外穏便に済ます事が出来そうだと内心胸を撫で下ろす。
「いやテトラは既に、というかタレント部隊はルピーのバカ以外奪還地01の資材調達業者の一部に入り込んでる」
それも拠点を移した最初の頃からね。そう付け足して彼女は苦笑いした。
「っていうことはつまり...」
「そう、お客様の懐事情はだいたい把握できてる」
そう言いながらドラーは資料らしき紙を裏返しで寄越してきた。緊張が高まり思わず握りしめた拳を開いて手のひらの汗を腰で拭く。
「結論から言わせてもらうよ。お客様は最近私たち以外のルートから色々と調達しているな?」
ドラーは渡した物を今すぐにみろと言わんばかりに顎をしゃくる。恐る恐る渡された資料を裏返すと、そこには消耗品に関する費用の一覧と最近知り合ったニケ「ソラ」の写真があった
7/3いよいよソラの実装がされました。
私は妄想との乖離が原因でこの先描けなくなるのを避けるため、現在イベストはスキップしております。
シンクロ率どのくらいかちょっと楽しみだけど怖いですw