僕が君の事を好きなのを知ってて、君は既婚者と不倫を繰り返すんだね!
“僕が君の事を好きなのを知ってて、君は既婚者と不倫を繰り返すんだね!“
僕は職場の女の子に恋をした。
彼女がこの会社に入って来た時から、僕は君が好きで。
きっと“一目惚れだったんだと思う!“
でも君は僕の気持ちを知っていて、僕達の“職場の上司と君は不倫している。“
何時からなのか? 気がつけば君は上司と仲良くなっていて、
そのうち不倫関係になっていったね。
僕が想うに? “上司の彼は君を最初から狙っていたんだと思う。“
僕はどうする事も出来ず、ただ君と上司の関係を見守っていた。
・・・だけど? 君は凄く辛そうに今にも泣き出しそうな顔で僕を
見てくるから僕はどうしたらいいのか分からず、ただただ話を聞いて
あげるしかできないでいた。
そんな僕は頼りない男ですか?
『“そんな事ないよ、田辺クンは凄く頼りがいのある男だよ。“』
『・・・い、いつまで続けるの?』
『“私と上司との不倫関係?“』
『そう。』
『どうかな、私はやめる気がないんだけど、彼が私との不倫関係を
直ぐにやめたいっていうなら? 私はいつでも、』
『“上司の言いなりなんだね。“』
『好きになったのは私の方だもん! 最初から負けてるのよ。』
『羽美ちゃんは本当に別れる気ないの?』
『ないよ! 私はやっぱり彼が好きだから!』
『・・・・・・』
『ごめんね、田辺クンの気持ち知ってるのに、悪い女だよね。』
『べ、別にいいよ、僕の事は、、、。』
『最初に田辺クンの事を好きになってれば良かったのにな。』
『えぇ!?』
『絶対に私の事、田辺クンなら大事にしてくれるでしょ!』
『・・・ううん、』
『今日も私の話訊いてくれてありがとう、じゃあ帰るね!』
『うん。』
『じゃあーまた明日、会社で!』
『会社で。』
・・・君の話を黙って聞くのは本当に辛い。
僕だったら絶対にこんな想いさせないのにとか想ってしまうし、
“会いたい時に会えないなんて絶対に僕ならならない!“
なんで不倫なんかするんだよ!
絶対にこんな事、いい訳ないじゃん!
辛いのは君だよ、君が一番辛いだけなのに、なんで不倫なんか、
もうやめて僕にしとけよ。
君がいつ上司と別れても、いつでも僕が君を支えて行く準備はしている。
だから僕にしとけ!
こんな事も僕は君に言えないんだよな。
“やっぱり僕は情けない男だな。“
でも何よりも、“上司の奥さんに二人の不倫関係がバレないか?“
僕の方がドキドキしている。
君が上司の奥さんに一方的に責められる姿が目に浮かぶから。
もう、上司とは別れてほしいんだ!
一日も早く、別れてくれないかな。
*
・・・でも? 僕が恐れていた事が起きてしまう!
そう、上司の奥さんに二人の不倫関係がバレたんだ!
『“あなたいつからウチの夫と不倫関係になってたの?“』
『す、すみません。』
『すみませんで終われると思うの?』
『・・・・・・』
『その前に、この方は誰?』
『僕と彼女は同じ職場で、』
『こんな素敵な男性が居るのに、なんでウチの夫と不倫関係なんて!』
『“彼は私の事、なんて言ってるんですか?“』
『“彼?“ そうあなたは夫を彼と言うのね。』
『・・・・・・』
『もう随分と、ワタシは夫から女性扱いさせてないわ。』
『・・・・・・』
『可愛い部下って感じの女の子よね!』
『・・・すみません。』
『ワタシは怒ってるんじゃないの、何故? 人のモノを取るような
事をあなたはするのって聞いてるの!』
『・・・・・・』
『“人のモノを欲しいって思う女はよくいるけど、あなたもそうなの?“』
『・・・・・・』
『カレが可哀そうとは想わないの?』
『僕の事はどうでもいいんです! でも彼女を許してあげてください!』
『貴方はとてもイイ男だけど、彼女にとって恋愛対象にはならなかったのね。』
『・・・そ、そうですね、でもそれも仕方ないです!』
『“ごめんね、ワタシはあなたを絶対に許す気はないわ! それは夫もよ!“』
『“じゃあ、やっぱり離婚されるんですか?“』
『あなたはその方が都合がいいんでしょね、それなら絶対に離婚はしないわ!』
『・・・・・・』
『もうこんなのやめなさい! こんなに身近に素敵な男性がいるのに、、、!
それにあなたが気づく事よ。』
『・・・・・・』
『僕が彼女を守ります!』
『頑張ってね! じゃあ、もうワタシからあなた達に話す事はないわ、
もう帰ってもらえる。』
【・・・は、はい、】
・・・彼女は帰り際、ずっと下を向いていた。
相当! 堪えたのだろう。
ただまだ彼女は上司の事を諦めきれていない!
それが僕が彼女を見て思った事だった。
“どれだけ彼女は上司の事が好きなのだろう。“
上司の奥さんにあんな事を言われても、彼女はまだ迷っている。
僕が彼女と付き合えるチャンスはいつか来るのだろうか?
また彼女が上司と不倫関係に戻ってしまったら?
もう僕は彼女の事を本気で諦めよう。
“希望のない恋は、どこかで打ち切らなくてはいけない!“
いつまでもズルズル彼女の事を思っていて、僕の恋は決して進む事は
ないのだから。
でも、もう少しだけ!
彼女の事を見ていようと思う。
僕が彼女の事をこんなにも好きなのだから仕方がない!
いつか彼女と付き合える事を夢見て、これからも彼女の傍に僕は、、、。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。