表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忍者恋々  作者: 寺子屋カヤ
3/8

どっちが上?

陰陽師が心配そうに九朗に近づき、顔を下からうかかがう。

「あれ、なんだか、いい香りがしますね」

「今の今まで、お香がたかれた部屋に居たもので…」

「オメェ…、覚えてろよ…」

四郎がひきつった笑顔で九朗を見と、陰陽師が四郎を見ながら鼻で笑った。

四郎が陰陽師を睨む。

九朗が急に立ち上がって壁に肩でもたれかかると、はらりと縄が落ちた。

「はあ…。これからどうします?」

九朗の手に、キラリと光る八方手裏剣が握られていた。

      

(アイツは刃先が一つあったが、この子は刃先が8つある…)

九朗が八方手裏剣で、陰陽師の縄だけを切る。

「手は痛みますか?」

九朗が仏頂面で問いかける。

顔は陰陽師の方を向いているが、目線が下を向いている。

「え?あ、まあ、少しは…」

九朗が陰陽師に薬を投げた。

薬がゆっくりカーブを絵描きながら、スポッと、自然にB丸の手に収まる。

「塗り薬です。擦り傷にどうぞ…」

九朗は、陰陽師を見ずに顔を横に向けたまま話す。

「ああ、どうも…」

(はっ…。アイツの道理じゃ、この子の方が力量不足になるが、世も末だな。なんで格上の奴がクズなんだ)

ぎこちなく、自分の赤くなった手首に薬を塗りながら、心の中で悪態をついた。


「俺も手が痛いなー」

「もう、薬はないです。というか、薬を塗るほどでもないですよ、それ」

手首を痛そうにさする四郎に構わず、九朗がそっぽを向いた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ