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おとぎばなし ― ゆらぐ噺 ―  作者: ぽすしち
 あとは なし

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49/53

『 ひらけ 』



 ひとまわりしてつながった線は、五方に角を持つ形となって輝くと、ぱちり、と硬い音をたてた。



「 ―― おまえら、・・・そいつに、『力』を分けてもらったのか? あ~あ。そりゃかわいそうに」


「な、にが」


「だって、おまえら、セリちゃんの『術』、壊しただろ?そいつに、なんて説明されたのか知らねえけど、―― 『返し』がくるぜ」



 その意味を聞こうとした男たちは、急に、足元が冷えてきたのを感じる。


「ほら、言ってるそばから来たようだな。―― それはな、足が冷えてきてるんじゃなくて、感覚が消えはじめてんだ。もう、動かせねえだろ? それがどんどん上にくる」


 言葉通り、じわじわと上へと伝わってくるのを感じる男たちに、だがなあ、安心しろよとコウセンは優しく微笑んだ。



「それなあ、―― 『首』のところまでで、終わるようにしてやるから 」


「こ、コウセン様!お情けを!どうか!!」


 許してほしい助けてほしいと懇願する声にも、四の大臣は片手をあげて笑む。


 仕事を、押し付けられたときと同じように ―― 。



「―― ・・・さっきの話に戻るがな。 この宮は、人を、喰う」

「あ、あれは、単なる噂で」


「・・・喰うんだよ。――この宮は」

 

    

      ぱん

      

 

 空気を振るわせるほどの音を出して合わされた手が、ゆっくりと字をつづり、コウセンは短くなにかをつぶやいたあと、その指を、つう、と横に動かした。

 



           ぱしん

 


  なにかが弾けるような音。



 続けて、 「  ひらけ  」  と、 なにかに命じた。





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