『 ひらけ 』
ひとまわりしてつながった線は、五方に角を持つ形となって輝くと、ぱちり、と硬い音をたてた。
「 ―― おまえら、・・・そいつに、『力』を分けてもらったのか? あ~あ。そりゃかわいそうに」
「な、にが」
「だって、おまえら、セリちゃんの『術』、壊しただろ?そいつに、なんて説明されたのか知らねえけど、―― 『返し』がくるぜ」
その意味を聞こうとした男たちは、急に、足元が冷えてきたのを感じる。
「ほら、言ってるそばから来たようだな。―― それはな、足が冷えてきてるんじゃなくて、感覚が消えはじめてんだ。もう、動かせねえだろ? それがどんどん上にくる」
言葉通り、じわじわと上へと伝わってくるのを感じる男たちに、だがなあ、安心しろよとコウセンは優しく微笑んだ。
「それなあ、―― 『首』のところまでで、終わるようにしてやるから 」
「こ、コウセン様!お情けを!どうか!!」
許してほしい助けてほしいと懇願する声にも、四の大臣は片手をあげて笑む。
仕事を、押し付けられたときと同じように ―― 。
「―― ・・・さっきの話に戻るがな。 この宮は、人を、喰う」
「あ、あれは、単なる噂で」
「・・・喰うんだよ。――この宮は」
ぱん
空気を振るわせるほどの音を出して合わされた手が、ゆっくりと字をつづり、コウセンは短くなにかをつぶやいたあと、その指を、つう、と横に動かした。
ぱしん
なにかが弾けるような音。
続けて、 「 ひらけ 」 と、 なにかに命じた。




