弱まり消える
暴力行為、残虐行為つづきます。ご注意を
リンに当てられている右の手は、はっきりと、ひかりをだしている。
「・・・・・そうなのか?本当に、その犬を、助けられるというのか?」
カイのほかの男たちも、いつの間にか取り囲むように集まり、シュンカの手を恐れるように見ている。
膝の上、手を当てた子犬の喉が、風をもらすような音をだし、開いた場所から血をあわ立たせている。
腹が上下する力が、あきらかに弱っている。
それでも、まだ、 あたたかい。
もう やるな
最後の力をふりしぼり、自分を守ってくれた父親の言葉。
命をかけ―――。
とうさん かあさん 里のひとたち
「―――――――」
手の光が、弱まり消えた。
リンの、弱く熱い息が、そこにかかる。
消えた、とつぶやいた男たちが、息をつく。
「――なんだ、おどろかすなよ。まるで本当に出来るみたいに見えたな。これではさすがのスザク様も騙されるだろう。そうかそうか。―――だが、よくよく考えれば、おまえにそんな『力』があるわけが、ないな」
くつくつと笑うカイは、放心したようなシュンカの膝上から、リンを奪い上げた。
「本当にそんな力があったなら、この犬のように死に掛けたおのれの父親も、助けられただろうになあ?どちらも、助けられ なっ !!」
何も考えずに、シュンカは相手の腹に身体をあてて、床へ倒した。
リンを奪い返そうとしたところで、まわりにいた他の男たちに押さえ込まれてしまい、床に押し付けられた身体を、頭に血が昇ったカイに何度も踏みつけられる。
痛くて苦しくて口の中で血がひろまった。
・・・ひどいはなしです・・・申し訳ない




